同調回路のQの測定(その21:測定してみました)
ちょっと間があきましたが、コイル(共振回路)のQの測定をいくつかのコイルでやってみました。
以前測定したコイルに加えて、リッツ線を入手しましたので、それでハニカムコイルを巻いてみたものを加えました。
今回測定したコイルは下の写真のものです。左が市販のコイル、右が手作り品です。
特に#6が今回新たにリッツ線で巻いてみたものです。
リッツ線は秋葉原の電線専門店オヤイデ電気から購入したもので、Φ0.08mm*30本ということです。
巻き方は#5のΦ0.3mmエナメル線のものと一緒ですが、線の太さの違いでコイルの直径は大分大きくなっています。
まず、各周波数でのQを測定した結果が下のグラフです。
実はこれはもっと良い値(200以上)を期待していたのですが、最大で180でした。参考にさせていただいたサイトでこのタイプのコイルで400以上のQ値も出ていたのですが。。。世の中にはリッツ線内のエナメル線の本数がもっと多いものがありますので、そういうものを持ってくればさらに良くなるのかもしれません。
とはいえ、それ以外のエナメル線の手作りコイル#4、#5はどちらもリッツ線の半分以下の値ですので、リッツ線の効果は確認できました。
市販バーアンテナタイプの#1、#3もそれなりに良い値です。これはフェライトのおかげで巻き数が少ないので直流抵抗分が小さくなって有利なためと思います。もし#6タイプとフェライトの組み合わせで巻き数を減らしたコイルができるなら試してみたいところです。
次に600KHz中心での共振曲線を出力した結果が下のグラフです。
さらに上のグラフから共振回路のQ=f0/凾を求めたものが下表です。こちらでもリッツ線手巻きコイルの#6が最も良い値を出しています。
ところで、コイルがループアンテナを兼ねるようなアンテナレスのゲルマラジオでは、コイルの大きさが感度にかなり効いてくると思いますが、今回のようなコイルとしての測定では大きさ要因は評価されないような気がします。むしろ大型化のために線が長くなる場合はその分の抵抗増加でマイナス評価になるような?
例えば今回の測定では小型バーアンテナの#1のPA-63Rと#6の手作りリッツ線ハニカムコイルとで近い値が出ていますが、アンテナレスのゲルマラジオに使う場合は直径の大きい後者の方が実際はもっと性能が良いのではないでしょうか?
そういう観点の場合はコイルとしてではなく、アンテナとしての評価がいるのかもしれません。 時間ができたら別途調べてみたいと思います。
それはそれとして、一応#6は今回の測定では一番良い特性ですので、エアーバリコンと組み合わせてゲルマラジオにしてみました。
台座は100円ショップの木製品コーナで買ってきたものです。回路図は下の通り。回路内の並四コイルとポリバリコンは近所の強い局を制限するための帯域カットフィルタです。
聞いてみた感じは感度、選択度ともに結構良いように思います。こういうコイルはレトロ的な見栄えもするので良いですね。
もっと良いコイルができたらまた記事にしたいと思います。
それでは今回は以上です。
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