スパイダーコイルと帯域制限フィルタによるゲルマラジオ
ここのところ、どうも自作コイルorバリコンで周波数範囲や選択度が中途半端なラジオを作ってきましたので、一度きちんとしたコイルを巻いた物を作ってやろう、と考えました。
今回見つけてきたのが下の「100円鍋敷き」です。これをスパイダーコイルに使います。
これならコイル直径も10数cmになるし、なにより突起の数が奇数というのがありがたいです。(※スパイダーコイルにするには奇数というのが条件です。)
鍋敷きに0.3mmのホルマル線を巻きます。
← 巻いてる途中。突起を2つ飛ばしで巻いていきます。(スパイダーコイルでは奇数突起に2つ飛ばしで巻くことで線同士の重なりが小さくなり、邪魔な線間容量を小さくできるということです。)
巻きあがり。65回巻いてからインダクタンスを測りつつ巻き数を調整しました。
← 最終的に60回巻きで、インダクタンスは390uHとなりました。
バリコン、ダイオード、イヤホンを付けてゲルマラジオの完成です。
← 木の枠にワイヤ。初期のラジオみたいで中々風情があります。
発振器を使って確認したところ、500KHz〜1500KHzを楽々カバーしています。
実際に受信したところでは、外部アンテナが必要ですが、それでもローカル局の3局(民法1、NHK第一、第二。。。地方なので少ないのです。。。)が聞き取れました。周波数範囲は十分です。
しかしながら、このラジオでも民法1局の音声が、他の局に重なって聞えるのが気になりました。実は何年か前にその局の出力100W中継アンテナが500mくらい離れたところにできてまして、ここではAMラジオを作るたびにその局が突出して強く入ってくるのです。
そこで、今までやってみたことはないのですが、同調回路による帯域制限フィルタを試してみることにしました。
(クリックで大きな図が開きます。)
アンテナの入力にもうひとつの同調回路を繋ぎます。この同調回路の共振周波数が、制限したい周波数に一致するとインピーダンスが無限大(理論上)となるので、その周波数に対する制限となる。。。というものです。
使い方は以下の通りです。
・まず制限したい局にラジオの方のバリコンを合わせます。
・その次に、フィルタの方のバリコンを調整して、ラジオでその局が最も弱くなる所に合わせます。(このセットの場合は、割と狭い所で、急に弱くなって殆ど聞えない位になる位置が有ります。)
・後は、ラジオのバリコンを聞きたい方の局に合わせます。
初めてなのであまり期待していなかったのですが、効果はかなりのものでした。
今まで重なって聞えていたのが全くなくなりましたし、強い民放に周波数が近くて隠れていた局も聞えるようになりました。Qを測る手段がないので定量的には言えないのですが、感覚的には中々良いコイルができたと思います。
しばらく実験的(受け狙い的?)なもの作りが続いてましたが、今回は久しぶりにちゃんとしたゲルマラジオができたかな、という気がしております。
また、帯域制限フィルタが使えるのが分かりましたので、ケースに入れて汎用的に使えるようにしようかとも考えております。
以上です。
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