[mixi] キブリツボミゴケ２　Jungermannia virgata

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丹後の日記

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キブリツボミゴケ２　Jungermannia virgata編集する: 2008年10月16日13:59; 3 view

以前，ヒトスジツボミゴケ J. unispiris を本種だと思い込んでしまった・・・，ということを書いた。http://mixi.jp/view_diary.pl?id=749221882&owner_id=2651499

今回のは正真正銘の J. virgata に間違いないが，ことほど左様に両種は酷似している。形態や大きさに色々な差はあるが，その違いは小さくて微妙なものである（変化の幅がある）。初めての同定の時に，それを「根拠として」使うのはかなり苦しい。「仮根が明瞭な1本の束（紅い）になって，茎の腹側を流れ下る」のはすぐ分かるので，次には油体を観察するのがよいと思う。
この両種の油体は他に例のない特異なもので，木片を粗く削って作った球のような，ゴツゴツした感じがする。角の取れた立方体だったり形は一定しないが，全体的に球に近く，紡錘体状に伸びたりするものはない。内部は不明瞭な微粒だったり，明るく輝く表面に不定な影が現れたりする。この独特な油体を確認すれば，2種のうちのどちらかだと決めてよい。

油体の比較
　J. virgata　　　　(1-) 2～4 (-5) 個，　φ (5-) 7～10 (12) μ　・・・多くて，小さい。
　J. unispiris　　　　　1～2 個，　　　　　φ 10～15 μ　　　　　・・・少なくて，大きい。
数字上は重なっているように見えるが，大勢の違いは明かで迷うようなことはない。

花被があれば，J. virgata はペリギニウムが花被の半分以下で短いことも確かめるとよい。J. unispiris は，ほぼ等長。蒴があれば（3月頃），J. unispiris は，弾糸が1本螺旋（本属中唯一）なので，明快この上もない。

立ちあがる（斜上）Jungermannia はこれで 2種目の経験だが（いわゆる Virgata-group の5種），奇麗に揃い一様に広がって生え，「お互いにくっつき合って（寄りかかって）ごちゃごちゃ固まる」ような印象がまるでない。整然とした姿で実に気持ちがよい。

なお，保育社の図鑑に「トリゴンは大きく」とあるが，うっかりミスだと思う。トリゴンは「なし～小さい」で，決して「大きく」はない。

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　藷畑に　ただ秋風と　潮騒と　　　　　　　　山本健吉
　銀河系の　一点に坐し　藷を食ふ　　　　　横田昭子
　青春に　悔なし藷で　育ちけり　　　　　　　西岡冨美子