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丹後の日記

センボンゴケ属 Pottia編集する
2006年03月02日20:21全体に公開
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 幸運にもセンボンゴケ P. intermedia とハナシセンボンゴケ P. truncata の2種を同時に採集できた。いずれもあまり普通な種ではないように思える。

 一見ツリガネゴケ属の種によく似ている。確実な区別点は葉縁の細胞の形で,ほぼ正方形の細胞が並び,ツリガネゴケ属のように長く伸びることはない。

 センボンゴケとハナシセンボンゴケの比較。
 (1) 朔: センボンゴケは中央部が膨れ気味の円筒形,ハナシは弱い釣鐘型で口部に向けて広くなる。
 (2) 葉: センボンゴケは長楕円形(舌状)で長く,葉縁がはっきり反曲する。ハナシは中央付近が広い楕円形で長くは感じない。葉縁は平ら。
 (3) 芒: センボンゴケは長く0.20mm前後,ハナシも明瞭に突出するが
0.05mm弱で短い。ルーペでも比較可能。
 (4) パピラ: センボンゴケの葉先付近の細胞にはまばらで弱いパピラが見える。特に,葉縁細胞の外側へは明瞭にとびだす。ハナシには無い。

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  春寒し 水田の上の 根なし雲   河東碧梧桐
  春寒く 葱の折ふす 畠かな    炭太祗
  水仙の つんとすませり 春寒し  田中冬二

コメント

  • プロジェクトK

    プロジェクトK2006年03月02日 20:55 削除
    1属2種採りとは,ラッキーな採集でしたね.
    しかし,かなりコケにハマってますね〜
    なかなかコケに向かい合う時間が無いのでうらやましい限りです・・・
  • 丹後

    丹後2006年03月03日 06:56 削除
    コケにハマっているというか,
    自分で意識的にハメているところです。退職後の仕事はすべて断っていますので,時間は無限(?)にあります。
     とりかかったのは一昨年の秋からですが(準備は以前からしてました),最低3年間はコケのためだけに時間を使うつもりです。ある程度のところまでは,一気にやった方が効率がよいと思ったのです。

     希望としては,隠岐産の種に限って分り易い解説書を作りたいと思っています。顕微鏡写真も含め1種に付きカラー写真5枚付き・・・(笑)。
     コケに限りませんが図鑑の記述は,分らせようという意欲が感じられません。初心者に対する配慮も希薄ですし,検索表も簡潔すぎて不親切,何よりも読んでいて面白くありません。語りかけるようなもっと人間味のある解説ができないものかと思います。
  • プロジェクトK

    プロジェクトK2006年03月06日 01:33 削除
    図鑑の話,すごくわかります.
    よく,「教える」のと「伝える」の違いっていいますね.
    日本人は「教える」「教えられる」教育に慣れてしまっていますので,なかなか難しいのでしょうが・・・
    コケと人を「つなぐ」,そんなのことが出来ればいいなとわたしも思います.

丹後

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