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丹後の日記

ヒメカガミゴケ Brotherella complanata編集する
2008年10月01日17:52全体に公開
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カガミゴケ B. henonii の変異内のものかも知れないが,標本のラベルを区別しておきたくて無理に名前をつけた。本当かどうかは分からない。小さな流れのそばの岩(垂直面)に貼り付いていた。

長い茎が(3cm以上)一方向にきれいに揃って伸びていて,枝も少なく葉の付き方もややまばらである。通常のカガミゴケとは見かけが違い,「葉のぎっしりついた枝が沢山出て,折り重なってごちゃごちゃしている」ような感じがない。全体にスッキリと伸びやかな姿をしている。

一番大きな差異は,葉の形と鋸歯の程度である。カガミゴケの葉は,長楕円形(oblong)で急に尖り,葉先に大きな歯がまばらに出る。葉先は通常「細く長く」はならず,やや短く尖るものが多い。鋸歯はギザギザした感じでよく目立つ。

一方このものは,卵状披針形の葉で下部の幅が一番広い。そしてゆっくりと細く長く尖り,先が鎌状に湾曲する傾向が強い。葉先の鋸歯は全くないか,またはごく低くて目立たない。これは有意の差であるように思える。

他の形質では,葉のサイズが小さく,葉身細胞の長さが短い,ということもある。確かにそのように思われるが,変化があってあまりはっきりしたことが言えない。以前,ごく小さくてトガリゴケ B. fauriei とした標本があるが,採集場所がすぐ近くなのでそれと同一種の可能性もある。結局,種の境界線がよく分からない。図鑑には「研究はまだ十分でなく,分類が困難である。」とある。ちょっと力が抜ける感じだ。


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 コスモスの よく動きゐる 花の数      高濱虚子
 ぶちまけし 光の中の 秋ざくら       栗山秀代
 どの風も 素直にうけて 秋ざくら      竹内敬子


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