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丹後の日記

ツリバリゴケ属 Campylopus Sp.編集する
2008年08月17日23:55全体に公開
4 view
以前には C. gracilis としていた。
 http://mixi.jp/view_diary.pl?id=770930840&owner_id=2651499

" A Revision of the East-Asian Species of Campylopus (J.-P. Frahm 1992) " という論文(この属の専門家による)を見付けたので, 張り切って再挑戦したがあえなく敗退。" A Revision of Japanese Campylopus (N. Takaki 1967) " のコピーも取り寄せたが,資料が増えて余計に訳が分からなくなって来た(何故だ!)。

一時は C. subulatus (和名なし)しかないと思っていたが,「中肋背側の表皮細胞とガイドセル列に挟まれて,弱いステライドが見られる」のがおかしい。かといって,「ステライドがない」と解釈してもそれらしき種が見当たらない。どれもどこかの形質が矛盾する。何かの変異型であろうが,それが何なのか推測すらできない。原因は「自分の読み方が中途半端」+「変異の幅が十分書いてない」だと思う。論文は素人を教育するためのものではないので文句は言わない。

暑い中4,5日かかって出した結論が「もう駄目,専門家に頼もう」。しかし,答だけを聞いても心から納得できるかどうか。「はぁ・・・そうなんですか」で終りそうな気がしないでもない。

ツリバリゴケ属の普通種はフデゴケ C. umbellatus とヤマトフデゴケ C. japonicus の2つで,これはどこにでもある。今回,見かけは全然違うのだが「ヤマトフデゴケではないことの確認」には随分時間をかけた(フデゴケは論外)。残りの6種ほどは超希産種のようなので(日本以外でも),採集自体には意味があった。

新しく気付いたことの1つ。(1) 枝には(茎の上半部に1,2本出る),短くて幅の広い葉がつく傾向がある。(2) 枝は取れやすく,取り外すと下端部から根のように仮根を伸ばしている。(3) 全体の姿も芽生え(幼苗・子供)そっくり。

このコケの名前が判明するのは十分刺激的だが(かけた時間のぶん),「属」が間違っていたらもっと驚くだろう。


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 しんしんと 松葉牡丹の 真つ昼間        鈴木芳女
 松葉牡丹 ぞくぞく咲けば よきことも      山崎ひさを
 つゝましく 松葉牡丹に 住むらしく        高野素十
 

コメント

  • 退会したユーザー

    退会したユーザー2010年03月08日 20:13 削除
    ツリバリゴケモドキというのがありますけど……胞子体があれば分かりますが。帽に毛があれば一発です(よね?)。ちょうど今東京で胞子体が発生してきていますので隠岐でも見られるでしょう。
  • 丹後

    丹後2010年03月08日 21:09 削除
    ツリバリゴケモドキは探しているものの一つですがまだ出会っていません。西日本では採集記録が少ないです。

    残念ながらツリバリゴケ属は胞子体をつけにくいようです。ここのCampylopus Sp.もいつまで待っても駄目でしょう。専門家に送れば何とかなるでしょうが,今はまだ「わからない」ことを楽しんでいます。

    何故ツリバリゴケモドキ属をはねたのかは忘れました。大きさ(茎長2cm)だったかもしれません。
  • 退会したユーザー

    退会したユーザー2010年03月08日 22:09 削除
    一見、ススキゴケに似てますね・・・私の日記に書いてみます。

丹後

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