以前には C. gracilis としていた。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=770930840&owner_id=2651499
" A Revision of the East-Asian Species of Campylopus (J.-P. Frahm 1992) " という論文(この属の専門家による)を見付けたので, 張り切って再挑戦したがあえなく敗退。" A Revision of Japanese Campylopus (N. Takaki 1967) " のコピーも取り寄せたが,資料が増えて余計に訳が分からなくなって来た(何故だ!)。
一時は C. subulatus (和名なし)しかないと思っていたが,「中肋背側の表皮細胞とガイドセル列に挟まれて,弱いステライドが見られる」のがおかしい。かといって,「ステライドがない」と解釈してもそれらしき種が見当たらない。どれもどこかの形質が矛盾する。何かの変異型であろうが,それが何なのか推測すらできない。原因は「自分の読み方が中途半端」+「変異の幅が十分書いてない」だと思う。論文は素人を教育するためのものではないので文句は言わない。
暑い中4,5日かかって出した結論が「もう駄目,専門家に頼もう」。しかし,答だけを聞いても心から納得できるかどうか。「はぁ・・・そうなんですか」で終りそうな気がしないでもない。
ツリバリゴケ属の普通種はフデゴケ C. umbellatus とヤマトフデゴケ C. japonicus の2つで,これはどこにでもある。今回,見かけは全然違うのだが「ヤマトフデゴケではないことの確認」には随分時間をかけた(フデゴケは論外)。残りの6種ほどは超希産種のようなので(日本以外でも),採集自体には意味があった。
新しく気付いたことの1つ。(1) 枝には(茎の上半部に1,2本出る),短くて幅の広い葉がつく傾向がある。(2) 枝は取れやすく,取り外すと下端部から根のように仮根を伸ばしている。(3) 全体の姿も芽生え(幼苗・子供)そっくり。
このコケの名前が判明するのは十分刺激的だが(かけた時間のぶん),「属」が間違っていたらもっと驚くだろう。
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しんしんと 松葉牡丹の 真つ昼間 鈴木芳女
松葉牡丹 ぞくぞく咲けば よきことも 山崎ひさを
つゝましく 松葉牡丹に 住むらしく 高野素十
残念ながらツリバリゴケ属は胞子体をつけにくいようです。ここのCampylopus Sp.もいつまで待っても駄目でしょう。専門家に送れば何とかなるでしょうが,今はまだ「わからない」ことを楽しんでいます。
何故ツリバリゴケモドキ属をはねたのかは忘れました。大きさ(茎長2cm)だったかもしれません。