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丹後の日記

ナミガタスジゴケ Riccardia chamedryfolia編集する
2008年08月06日12:02全体に公開
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スジゴケ属は過去4年間で2種類しか見ていなかったのに,ここ10日ほどで新たに2種を採集した。捜していれば見付かるもののようだ。ただ,野外で見付けても既知か未知か,特徴は何かなどがよく分からない。皆同じような形をしており困ったものだ。これは容易ではないと改めて思う。

検索表では,(1) 葉状体表面の細胞は平滑で薄壁,(2) 葉状体の翼部が狭い,(3) 表皮細胞の大きさは内部細胞の大きさの1/2-2/3,を使うと比較的楽に本種に行き着く。ただ,それで確信が持てるかというとそうも行かない。通常なら他の形質についても比較検討が必要になる。全種の形質一覧表でも作っておかないとこれが大変。

幸運なことに本種は油体に著しい特徴があって,初めて見た時は目が釘付けになった。数は1-5個,形は球〜紡錘体,大きさも色々,とそれぞれのものが混じりあって(ほぼ全細胞)存在する。特異なのは,虫のような紐のような長い(80μmに達するものもある!)油体が頻繁に含まれることである。中央部が太かったり,両端が膨れたり,あるいはU字型に曲がっていたり,こんな油体を見るのは初めての経験である。もっと極端に長く蛇がのたくっているようなのが2種あるが,これは琉球以南。稀に虫状のが交じる1種は屋久島以南。よって,この長大な油体を確認できれば本種と決めてよい思う。

生態についてはまだ何とも言えないが,これは水がしたたり落ちるような崖(alt. 300m)の腐植土上に点々と広がっていた。最終分枝はあまり細長くならず,先端中央部が小さく凹んでいるのが印象に残った。なお,雌雄同株であることは重要であるが雌器ばかりで雄器は見付からなかった。何時も両方がついているわけではないということだろう。論文にもそんな細かなことまでは書いてない。しかし平凡社の図鑑には「標本袋を赤褐色に染める。」と書いてあった。これはよいことを知った。


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 白昼を 真紅に咲いて さるすべり         対馬貞美
 我が家にも 碧(あお)き空あり 百日紅      亀井みち子
 散れば咲き 散れば咲きして 百日紅        千代女



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