[mixi] ヒロハツヤゴケ

検索フォーム

丹後の日記

Javascript の設定が無効になっているため、一部の機能を利用できません。

詳細はヘルプをご覧ください。

ヒロハツヤゴケ編集する: 2006年02月15日19:15; 3 view

ヒロハツヤゴケ　Entodon challengeri　このコケには色々な特徴があって，初心者にはありがたい。一番確実な区別点は，翼部の矩形細胞群が，葉基部全体に広がることであろう。普通は三角形で両隅にあるが，本種ではつながってほぼ長方形の範囲を占める。

　都市部ではごく普通なありふれた種のようである。しかし，1年半探しまわってやっと1ヶ所見付けた。このように，市街地には多いのに，隠岐（田舎）ではまだお目にかかれないものが，他にもかなりある。

　不思議に思っていたが次のように考えたらどうだろうか。
(1) これらの種は空気汚染に強く，汚染に弱い種が進出できないような環境を得意とする。つまり汚い空気を歓迎する。
(2) 空気汚染の少ない環境では，得意技が発揮できず他の競合種に負けてしまう。つまり，きれいな空気はありがた迷惑。

---------------------------------
　梅かたし　日輪宙に　白く錆（さ）び　　　長谷川素逝
　梅二月　ひかりは風と　ともにあり　　　　西島麦南
　白梅の　今朝咲きしこと　誰に告げん　　岡本差知子

うり2006年02月25日 00:12

全く、その通りだと思います。
私が卒論でお世話になったヒナノハイゴケは、都市のコンクリートの壁や道路脇の樹幹にはとても良く見られますが、確かに山に行くとあまりお目にかかれません。
ヒナノハイゴケはアルカリ性のホコリが大好物で(塵挨植物と呼ばれるらしいです)、そのような場所に好んで生育するのだと本には書いてありました。
乾燥にも非常に強い種です。

人の出現によって僅かに空いたニッチに入り込むように進化したのですね。
生き物って本当に良くできているなと思います。
- コメント
丹後2006年02月25日 11:47

ヒナノハイゴケも気になって捜している種ですが，まだ見付かりません。
人類の活動でニッチが拡大した耕地雑草・人里植物に状況が似ているのでしょう。

昨日は春の到来を思わせる穏やかな一日で，東京から来た若い人と山を歩きました。彼がやっていたことは，専らふるい（篩）で林床や小流の土をふるうことでした。数mm以下の虫がいっぱい出て来るんだそうです。

変った人だと感心して見ていたのですが，若い身空でコケを覗いている“うり”さんも似たようなものですね。今思うと，私もその頃は毎日ヒルベルト空間（数学）のことを考えていたような気がします。
うり2006年02月25日 22:17

やはり自然が豊かなところにはあまり無いのですね。
ヒナノハイゴケは都市部では面白いくらい良く見つかりました。

私は、自分でも変わった人種だなとよく思います。
もちろんコケは好きなのですが、人と同じ事をしたくないという気持ちもどこかにあるのでしょう。
ある意味ヒナノハイゴケ的な生き方なのかもしれないと、今思いました。
- コメント
丹後2006年02月25日 23:08

今の時代，変人はもてるような気がします。ただ，中途半端な変人はイヤなものですね。変人を徹底すると外部的には変人でなくなり，人と仲良くできます。
うり2006年02月26日 01:13

変人を徹底すると外部的には変人でなくなる…
なんだかすごい境地のような気がします。

変人であっても人との繋がりは大切にしたい、とは思いますが。
- コメント
退会したユーザー2010年04月03日 23:21

私にとっては、ホソミツヤゴケとヒロハツヤゴケの区別は少し辛かったです。
蒴柄の長さや葉の付き方、帽の長さは、微妙なものが時々あって混乱します。やはり、蒴歯の基部の微かな横縞模様で分けるのが確実かなという気がしています。
- コメント
丹後2010年04月04日 21:04

今では目視でも自信がありますが，確かに外観には変化があります。両種が同一環境に接して生えていて，多少迷ったことがあります。

ホソミツヤゴケに初めて出会ったのはまだ初期の頃（標本No. 0006）で，長い間確信が持てませんでした。もちろん〔朔〕歯の観察も初体験。私もこのコケに対しては，辛かったという記憶が残っています。