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丹後の日記

オニクシノハゴケ Ctenidium percrassum編集する
2008年07月09日10:41全体に公開
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水の浸みている岩の崖に直接ついていた。クシノハゴケ C. capillifolium はもう採集しないのだが(標本 7点),あまりにも大きくゴツイ感じがしたので手に取ってみた。「もういいか〜」という気分のまま,紙一重の差で持ち帰った。

家で C. capillifolium と並べてみたら,見かけで 3倍以上大きさが違う。何よりも枝の太さが印象に残った。葉の出方は直角に開く傾向が強く,背側に反り返ることもある。

葉(太い枝)も大きくて,長さ 3mm 幅 1.2mmを越えるものが多い。C. capillifolium は大きいものでも,長さ 2mm 幅 0.8mmどまりなのでこれは明瞭な差である。因みにコクシノハゴケ C. hastile は長さ 1mm強で,およそ 3 : 2 : 1 となる。

平凡社の図鑑にある図版は C. percrassum であることを教わっていたので,実体顕微鏡で見た途端にパッと気付いた。葉基部が大きくふくらんで,丸くゆっくり下方に曲がり込む形は独特のものがある。C. capillifolium は “MOSS FLORA” の図にあるように,翼部のところに角があって縦長三角形状,しかもややゆがんで左右非対称になる。この違いははっきり確認できる。

更に,剥がした葉の付着線が本種では短く丸く凹んで,C. capillifolium のように横長の直線にはならない。この部分の感じも両者で非常に異なっていた。単に同一種の生態型による差とは思えない。

なお,図鑑に「〔朔〕柄は長さ 2.5 - 3.5 cm」となっているが,これは C. percrassum のことのようで,C. capillifolium では 2cmを越えることはほとんどない(1.0-1.5cm)。


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 人参の うつくしからず 花ざかり      広瀬盆城
 白日に 夢さらしけり 花人参        上関ふみ子
 家ありて 人参咲ける 夏野かな      河合雅之

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