[mixi] チャボシノブゴケ２　Pelekium versicolor

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丹後の日記

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チャボシノブゴケ２　Pelekium versicolor編集する: 2008年05月28日18:59; 3 view

「2-4個の細胞が 1列につながった毛葉が，茎に直角に密生して異様な感じ。」と以前に書き，その後 2度ほど採集したが（それぞれ別の場所）毛葉が密布することに例外はなかった。これは，実体顕微鏡でも黒い影として見えよく分かる。

今回のは少し様子が異なっていて同定に随分時間がかかった。一時は別の種だと考えたが他に似たものもないので同一種なのであろう。主茎や太い枝の表面は，毛葉ではなく単に三角形のパピラ（歯芽）が並んで見える。この突起は 2細胞以上からなることはまずなく，先端が切形になることも（truncate）ない。切片で見て，パピラではなく表皮の細胞が刺状に変形したものだということが分かった。

全体にやや大きくがっちりした印象で蒴柄（平滑）も太く，「微小な」という感じを受けなかった。枝葉が疎らで先端が円味を帯びていることも，典型的なものとは多少異なる。それよりも驚いたのは，人家の前の路地の溝にあったことだ。今まではかなり深い山の，空中湿度の高い場所でしか見ていなかった。コケではこういうことがよく起こる。しかし考えてみれば，山足の石造りの水路で，綺麗な水が絶えず流れており環境としては申し分ない。

チャボシノブゴケの変異内のものに間違いないが，後味があまりよろしくない。最新の，“A. Touw: A taxonomic revision of the Thuidiaceae (Musci) of tropical Asia, the western Pacific, and Hawaii. (2001）”を読んでみたくなった。

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　道のべの　低きにほひや　茨（ばら）の花　　　　　　　召波
　愁ひつゝ　岡にのぼれば　花いばら　　　　　　　　　　蕪村
　野茨の　噎（む）せるばかりに　真昼なり　　　　　　阿部弘子