[mixi] タカサゴキリゴケ

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丹後の日記

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タカサゴキリゴケ編集する: 2006年01月28日14:04; 4 view

　タカサゴキリゴケ Sematophyllum subpinnatum
　渓流内の濡れた転石上にあった。
　この属は変異があるようで図鑑の記述とぴったりしない点もあるが，他のものとは考えられない。普通種ナガハシゴケ S. subhumile と2つを並べると，はっきり別物であることが分る。葉がもっと幅広く深く凹み，葉先がナガハシゴケのように鋭く長く伸び出すことがない。もっと分かりやすいのは，葉先部の細胞の形・大きさの違い。
　分布上は珍しそうな感じがするので続けて観察する必要がある。和名の語源は，「高砂（台湾）霧苔」なんだろうか。

　コクシノハゴケ Ctenidium hastile
　茎葉の形が独特で一度見たら忘れられない（このことは前種も同様）。保育社の図鑑は感じが出ている。三角形が急に細くなる部分は，つまんだように背中に膨れ，先の方はゆるくカーブする。
　小枝が羽状に揃って出て，「櫛の歯」のように確かに見える。クシノハゴケ C. capillifolium に比べるとずっと小さいという印象。

プロジェクトK2006年01月29日 01:18

タカサゴキリゴケ，わたしふつう樹幹か，やや希に石垣のような岩上でしか採集したことありません．湿岩となるとうーんと思ってしまいます．GlossadelphusとかVesiculariaとかEctropothecium とか葉形似ているかも・・と思ってしまいました．
- コメント
丹後2006年01月29日 10:19

ヒラツボゴケ属 Golssadelphus，ウシオゴケ属 Ectropothecium，フクロハイゴケ属Vesicularia
　これらは濡れた岩上ですか！ヒラツボゴケは名前も知りませんでした。フクロハイゴケ属だけはV. ferriei と V. flaccida を採集しています。

　実はタカサゴキリゴケに100%の自信があったわけではありません。かと言って，他のどこを調べてよいか分らなかったのです。Noguchi 先生のハイゴケ科の図版を全部めくって見ればよかったかも知れません。

　早速調べてみましたが，一番はっきり違うのは翼部です。書いていなかったのですが，巨大な縦長の透明細胞（やや黄褐色）が4個ぐらい並ぶのです。

　『濡れた』と書いたのですが，「湿っている・濡れやすい」と言った方が正確でした。「水に浸（つ）かる」という感じではありません。
　「湿岩」や「根元」という言葉も曖昧な点があります。あと“色”の表現ももう少し統一できないかと思うのですが。
プロジェクトK2006年01月29日 18:48

Wijkia hornshuchii、W. nakanishikii とかではないですか？
湿岩の状況的なかんじからと翼部から想像してみたらこんな感じかなと思います。
色の表現ですが、難しいですね。コケ一種一種に特有の色があります。私は野外ではほとんど生育場所と色の感じだけで推定しています。うーん難しい！
- コメント
丹後2006年01月29日 20:27

　ありがとうございます。Wijkiaも未知の属でした。
　確かによく似ていますが，葉先部の細胞の形が違います。葉の先の方が，保育社の図鑑Fig.128のように，寸の詰まった菱形を敷き詰めた感じになります。
　それと，蒴壁の細胞膜の妙な肥厚ぐあいが，そこの図とそっくりなのです。かつての，Sematophyllum robustulum ではなく，S. demissum の型ではないのでしょうか。
　似た環境でWijkia hornschuchiiを見付けることを今後の目標にします。