[mixi] コマノハイゴケ　Hypnum fauriei

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丹後の日記

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コマノハイゴケ　Hypnum fauriei編集する: 2008年05月10日20:00; 3 view

標高 380mの落葉樹林帯の渓側，朽ちかかった大きな倒木の全面（上側）を覆っていた。綺麗なワインレッドの蒴柄がびっしり立ち並んで，真っ赤な材木になっていた。スケールの大きさにちょっと驚いたが，「なんだヒメハイゴケ H. oldhamii か」と思ってちょっとだけつまんで帰った。よい標本ができるほどきちんと採集すべきであった。どうも真剣さが足りない。〔朔〕のお尻のイメージ（ふくらみ具合）が明確になってない証拠だ。

「日本のハイゴケ属（H. Ando 1994）」の検索表をたどると，本種とクチキハイゴケ H. densirameum の 2種に行き着く。ここまでは間違いないだろう。一つのポイントは「茎の表皮細胞がわずかに大きく，外側の膜がやや薄くなる」ことである。両種の識別は大きさ（茎葉の長さ・〔朔〕の長さ・葉身細胞の幅）で判断することになっており，多少の不安がある。しかしクチキハイゴケはもう 3度採集しており（いずれも水辺の腐木）これでないことは確かだ。フジハイゴケ H. fujiyamae という種でもないようだ（これもありそうなものだがまだ未見）。

両者の他の相違点を考えてみた。

(1) 蓋の先端の形が明らかに違うはずであるが（クチキハイゴケは先が平たい），時期が少し遅く蓋が全部なくなっていた。これも気付いて捜せば下に落ちているのが見付かったかも知れない。

(2) 内雌苞葉の大きさと尖り方がかなり違うように思う。クチキハイゴケの方がはっきり短く，やや急に細くなる。本種は観察した限りでは 2倍ぐらい長くゆっくりと漸尖，これでもかというほど先端が細く長く伸びる。

(3) 本種の茎葉がふにゃふにゃと柔らかく，縦皺が感じられることに強い印象を受けた。採集量が少なくて十分観察してないがこれも特徴なんだろうか。

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　アカシヤの　風薫る町　坂の道　　　　　　　　佐藤春夫
　風薫る　木綿のシャツを　ぴんと着て　　　　　奥原房江
　薫風や　蟹（かに）這ふ岩の　忘れ潮　　　　　栗山妙子