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丹後の日記

コスギバゴケ Kurzia makinoana編集する
2008年04月08日18:37全体に公開
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ごく普通種のようであるがやっと気が付いた。よく似た感じのチャボマツバウロコゴケ Blephalostoma minus はお馴染みでよく見かけるのだが,これは少し雰囲気が違うと思い採集してみた。実際チャボマツバウロコゴケよりはるかに小さくて,ルーペでは葉の分岐がよく見えないくらいである。

葉裂片の基部が何細胞幅かで両種の区別はできる(本種は 2が多い)。しかし,野外で判断できる自信はまだない。きっと生態の違いもあるとは思うが。もっとも,裂片基部 1細胞幅ではトガリスギバゴケ K. gonyotricha なるものもあるにはある(紀伊半島,南九州以南)。

腹葉は側葉よりかなり小さくて,極端に不等に分裂していた。葉細胞の表面にごく小さい疣が密布する(ベルカ)のも面白い。見えにくい場合もあるが,若くて透明感のある細胞が確認しやすい。図鑑には「油体は各細胞に 1-5 個」となっているが,見付からなくて一時は頭をかかえていた。「欠くこともある」(H. Inoue 1974)という記述を見付けてホッとする。経験がないとこんなことでも一々行き詰まる。


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 さくらより 桃にしたしき 小家(こいえ)哉        蕪村
 花桃の 蕋(しべ)をあらはに 真昼時        飯田蛇笏
 まいにちを 少し寝不足 桃の花           細川加賀


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