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丹後の日記

ケシゲリゴケ Nipponolejeunea pilifera編集する
2008年04月07日14:26全体に公開
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ブナ帯以上のものだが稀に下の方にも現れるようだ。井上先生が隠岐で採集された記録があったので,同じ山へ捜しに行って来た。本当に見付かるとは思っていなかったが,捜していると案外見付かるものかも知れない。漫然と歩いているのとは違い,ずっと頭の中がその種なので視線もそちら方面に限定されてくる。とは言っても,何の変哲もない小さなのがほんの少しだけ。「蘚のような気分では容易じゃない」とヒヤリとさせられた。

背片の先端から細く長い毛( 1細胞列)が出るという著しい特徴で,同定は明快この上もない。こんなものは他には同属のタカネシゲリゴケ N. subalpina しかないそうである。易し過ぎて物足りないくらいだ。図版で見ると毛がはっきり見えるように強調してあるが,実際にはルーペでもなかなか見えなかった。葉が内曲しているためで(湿っても),茎の先端の方でかすかに確認できた。だけどこの長い毛は何の役に立つのだろうか。

毛は複数本あったり腹片からも出たりするが,全く無いこともあるそうである。その時は保育社の図鑑に書いてあるように,腹葉の形で区別するとよい。大きな円形(わずかに横に広い)で,浅く狭い切れ込み(スリット)が何とも独特である。そういえば,ジャバウルシゴケ Jubula hutchinsiae ssp. javanica の腹葉には時々お世話になって来た。そこを見ただけで種の特定が可能である。言葉で説明はできないがそこへ“注目”しさえすれば感じはつかめるはずである。


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 放縦(ほうじゅう)に 背戸の李の 花盛り       相馬遷子
 韮の葉に こぼれて白き 李かな              孤松
 蒼褪(あおざ)めし 屈託をもち すもも咲く      岩崎嘉子

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