11月の下旬から今までほとんど山へ行っていない。異常な寒さが続き,天気も雨・風・雪・船の欠航でなかなか採集日和にならない。ストレスがたまって自宅の周辺を探し回った。結果,初めて知った種。
ナガスジススキゴケ Dicranella varia とにかく小さい。肉眼ではぼおーっとオレンジ色に見える。普通種なのか珍しいのかよく分らない。
ホソウリゴケ Brachymenium exile ギンゴケと混生しており姿もよく似ている。恐らく市街地のコケの中では一番ありふれた種。
ヒメミノゴケ Macromitrium gymnostomum 色は赤褐色。林内の陽当りの良い大岩に貼り付く。帽に毛がない。
コゴメゴケ Fabronia matsumurae やっと見付けた(イチョウ樹幹)。犬歯状の大きな歯牙が特異。それにしても,ヒナノハイゴケ(Venturiella sinensis)は何故見付からないのだろうか?
ヒメミノリゴケ Acrolejeunea pusilla 桜の樹皮上に薄く広がっていて剥がすのが大変。腹片が大きく明瞭な2歯がある。
ヤマトヨウジョウゴケ Cololejeunea japonica 1つの茎上でも,腹片の形が色々変化するのが特徴。無性芽ができることが多い。クスノキ・サクラ・ウメ・クリの木,明るい緑色。
それにしても,『校庭のコケ』(全国農村教育協会)は良い本だ。ヒメミノリゴケとヤマトヨウジョウゴケが,比較的容易に確信を持てたのはこの本のお陰。顕微鏡写真の威力は相当なものである。取り上げている種の選定も素晴しい。
環境の問題です。ただ,同様にコゴメゴケも無いと思っていましたが,僅かに1ヶ所見つかりました。ヒナノハイゴケが山地にもよく出現する種なら可能性はあります。