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丹後の日記

コツリガネゴケ Physcomitrium japonicum編集する
2008年04月01日13:06全体に公開
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長く気になっていたがやっと見付けた。同属の 3種,ヒロクチゴケ P. eurystomum も 1度見たことがあるのみで少ない。何故かアゼゴケ P. sphaericum だけは普通にあって,少し大袈裟だが「田んぼでしゃがめば必ず見付かる(秋〜冬)」。

同定が難しいという印象を持っていたが,“〔朔〕柄の長さと〔朔〕の幅”に注目すれば容易に区別できるような気がする。葉縁の舷や中肋の突出具合を気にして訳が分からなくなっていた。

本種は他の 2種よりもはっきりと大きい。立ったまま歩きながらでも目に止まる(〔朔〕柄: 8mm以上)。アゼゴケが一番小さくて腰を曲げて見つめないとまず気付かない(〔朔〕柄: 2-3mm)。実際に比べてみると大きさがまるで違う。ヒロクチゴケ は両者の中間だが(〔朔〕柄: 4-8mm),これも小さく実測値は 5-6mmであった。カップの大きさもこれに連動して変化するので,分類形質として有力である。

アゼゴケ以外は一度出会っただけなので単なる推測になるが,成熟した〔朔〕の形態(蓋の取れた後)に有意な差があるのではないかと思う。
 (1) アゼゴケ : 逆三角形のラッパ。逆さのベル。
 (2) ヒロクチゴケ : 広くて浅いお椀。平たい優勝カップ。
 (3) コツリガネゴケ : 大きくて深く角張った感じ?(〔朔〕が若くて本当のところは不明)

なお,胞子についてはヒロクチゴケの”トゲ”が一番大きく鋭くて目立つ。コツリガネゴケは「密なパピラ」とあるがこれも相当トゲトゲしい。そして,アゼゴケは「小さなトゲが密生」のはずなのに,何度見ても低くめで鈍頭のパピラ。これには参った。何故逆になるのか?余計なことをして(胞子の検鏡),後に問題を残すことになった。


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