[mixi] ミヤベツノゴケ　Folioceros fuciformis

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丹後の日記

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ミヤベツノゴケ　Folioceros fuciformis編集する: 2008年02月11日16:20; 4 view

道路際で陽当たりもよくあまり湿っていない場所。粘土質の切取崖（垂直面）に広がっていた。時期が多少遅いのか，蒴は黒くなって裂開したものが多い。痘痕（あばた）状の噴火口だらけで蒴のない株もあった。多分“造精器腔”であろう。一見雌雄異株のように見える。他の種でもこのイボイボの汚らしい株を伴うことがあるので，別種の混生ではないはずだ。

他種にはないような特徴が多くあって同定には困らない。目視では，背面が白い粉を噴いたように見えることがよい特徴。粉の実体は透明な球状の細胞からなる小突起である。葉状体はあまり縮れず，縁に深く切れ込みが入るが，裂片どうしは縁が重なって隙間が空かない。この感じも独特のものである。

顕微鏡下では弾糸が長くて（0.3mmを越えるものも多い）非常によく目立つ。その細胞壁が肥厚することを確認すれば本種と決めてよいようだ。暗褐色になった弾糸で見ると，透明な細胞壁の厚味がよく分かる。胞子の Y字条溝が見えない(ほとんどない）ことを確かめてもよい。また，胞子表面には明瞭な突起が密生するがあまり高くなく先端も鋭くない。ツノゴケ類の分類ではこの突起の大きさ・形・密度が非常に役に立つ。更に Y字条溝の情報を付け加えれば，ほとんどこれだけで用が足る。

千葉県が北限と言われ，神奈川・千葉両県のレッドリストに載っている。隠岐はそれより北であるが，普通にありそうな気がする。初めて同定したばかりではあるが，稀なものとは思えない。

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　猫の目草　谷吹く風に　目覚めけり　　　　　　関戸文子
　水の香や　猫の眼草の　群るる中　　　　　　　戸塚佳子
　猫の目草　いづこか雪の　匂ひして　　　　　　坂本山秀朗