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丹後の日記

ニワツノゴケ Phaeoceros carolinianus編集する
2008年01月21日21:13全体に公開
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濡れたような暗緑色で地面に貼り付き,牛の角を細長くしたような〔朔〕を一杯立てる。田畑や道路際でよく見かけるなじみ深いものであるが,調べるのを先延ばしにしていた。本種はツノゴケ類の中で最も普通な種。多分今まで見ていたものは皆同一種だろうと思う。ツノゴケ綱(ツノゴケ科・ツノゴケモドキ科)は,「表皮細胞に巨大な球形の葉緑体が 1個(一部の種で 2個)」が特徴のようだ。

和名通り長い角を出しているが,角全体が〔朔〕(〔朔〕柄がない)のようで上から下まで胞子が詰まっていた。(1) 〔朔〕壁表面には点々と気孔があり,(2) 葉状体内部に細胞間隙(空所)がない,(3) 胞子は黄色で表面に微細(しかし明瞭)なパピラ状の突起がある。ニワツノゴケ属で間違いない。

この属の 4種の内,分布が東北・関東に限られる 2種を除くと,本種かミヤケツノゴケ P. laevis のいずれかということになる。腹部に「無性芽が有るか無いか」で分かれるのだが,「無い」という判断は常に難しい。有れば「有る」で終りだが,無いからといって「無い」とは言えない。裏面をひっくり返して調べてみたが無かった。かわりに,濃緑(または黄褐色)のふくらみが所々あるのに気付いた。共生している藍藻の塊だろう。

他に,胞子表面(求心面)の突起の出方にも差があるようだがかなり微妙で,平凡社の図版に近いがもう少し目立つ。時期が早すぎて胞子が完全に熟していないことも気になる。更に,雌雄同株か異株かという違いもあるようだが,これは調べ方が分からない。

とはいうものの,「ニワツノゴケでよし」というのが本心である。


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 咲きつゞく 臘梅にある 寒の日々      高木晴子
 杉山に 錆色の寒 しづかなり         西山禎一
 枯れぬもの 乙女の瞳のみ 寒の入     林原耒井


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