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丹後の日記

ホソヘチマゴケ (2) Pohlia leucostoma編集する
2007年10月14日21:02全体に公開
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100%納得しているわけではないが,他の種は思い付かない。

今回のものには葉腋に無性芽がついていた。茎の上部が特に多いというわけでもなく下の方にも見られる。形は倒卵形の粒のようなのが多いが,成長して糸状に伸びたものも混じっている。

無性芽を使うと,平凡社の図鑑では以下の 4種に限られる。しかし,いずれ種ともはっきり異なる。
(1) ケヘチマゴケ P. flexuosa ・・・ 葉身細胞の幅が 11-15μではるかに広い。葉はきれいな披針形で基部は狭い。
(2) ミネハリガネゴケ P. ludwigi ・・・ 葉は卵形ではない。葉身細胞の幅は 15-17μまで広くはならない。
(3) ホソエヘチマゴケ P. proligera ・・・ 葉身細胞の幅 6-8μは論外。長さ 85-100μも少し長すぎる。本品は 60-100μで 75μ程度のものが多い。
(4) キヘチマゴケ P. camptotrachela ・・・ (3) と同じ理由でこれも駄目。

A. Noguchi 「MOSS FLORA ...」の検索表だと,本種 P. leucostoma に行き着く。しかしながら,以下の 2点が記載と合わない。なお,前回の標本はこの記載にぴったりだったので,誤植ということは考えられない。
(1) 葉は細い披針形で幅が 1-1.2×0.2-0.3mmとあるが,採集品は 1.2×0.5mmあって明らかに葉形が異なる(幅広い)。
(2) 葉身細胞の幅が 8-10μというのは狭すぎる。本品は 12μを越えるものが多い。

前回の採集とは環境が違い,神社本殿裏の軒下,雨だれが作った溝に沿ってズラッと並んで立っていた。目で見て葉質が薄く弱々しい感じがしたが,採集のために手でつまんで更にびっくり。こんな柔らかい感触の蘚類は初めてである。

This species is very rare in Japan. の 1行に驚いたのだが,広島大学所蔵の標本が 31点あって(国外産を含め),山口・広島・鳥取・京都のものも含まれていた。


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 コスモスの 清楚にそよぐ 日なりけり        鈴木千坡
 日だまりに 猫がまあるく 秋桜           小杉雅江
 コスモスも うれしきときは ぶつかり合ひ     松村幸一


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