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丹後の日記

ナガバヒョウタンゴケ Leptophascum leptophyllum編集する
2007年09月21日18:40全体に公開
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学名が多くあり,平凡社の図鑑では Chenia rhizophylla,Noguchi: MOSS FLORA では Tortula rhizophylla, などとなっている。保育社の図鑑は載せていない。

海辺の道路際,湿った岩の上に小さな塊が点々と散らばっていた。あまり採集欲が湧かなかったのだがルーペで見て,「初めてのものだ」という気がした。鮮やかな緑色をしており,葉の形は明瞭な舌状で中肋が突出,葉身先端部が大きく外側へ反り返る。

柔らかく薄い葉の質感は,ヒョウタンゴケ科のツリガネゴケ属に似ているが,葉身細胞が方形という点で異なる。細胞にはパピラが全くなく,センボンゴケ科に気付くまでに少し時間がかかった。細胞の大きさは 35μ前後とあまり大きくないのだが,何故か低倍率でも細胞の形が際立ってよく見える。

葉縁の 1列の細胞が内部のものよりはっきり小さく,真四角あるいは横長のものも交じるのは著しい特徴である。葉頂の 1細胞が突然長く伸びて(70μ)針状に尖り,茶褐色を帯びる傾向も他に例がない(多分)。更に葉縁上部の細胞のふくらみによる微妙なざらつきも,有るような無いような独特なもので,一度見たら忘れられない。この微歯の細胞には小さなパピラがついているのも面白い。

葉先に無性芽のつく仮根が出ることもあるというが,これは全く確認できなかった。相当稀なことではないかと思う。このコケは帰化種という説もあるようだ。根拠は何なんだろう。分布は全世界という感じだが,英国・北米の図鑑にはそれぞれ Very rare・Rare となっていた。


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 秋暑し 花をかゝげて 藪からし      宇津木未曾二
 トマト熟れ 爛れて赤く 秋暑し      山口青邨
 からからと 流れ藻乾き 浜秋暑     足羽雪野

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丹後

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