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丹後の日記

ホソヘチマゴケ Pohlia leucostoma編集する
2007年09月13日22:55全体に公開
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低山地の渓側(40m alt.),よく陽の当たる岩上に手のひらほどの固まりを作っていた(フデゴケ・ナガエノスナゴケ・ハイゴケが少量混生)。林道脇の小さな滝で,何度も行っている場所だが初めて気付いた。密に集まって斜上するが,小さくて細いものなのであまり目立たない。

高さ 15mmくらいで淡い黄緑色。葉は細い披針形(基部は丸く狭い)で 1.5*0.3mmと小さく,疎らにつくのが印象的。1本ずつ見ると,柔らかくて非常に弱々しい感じのものである。チョウチンハリガネゴケ P. wahlenbergii の姿にそっくりでそう思い込んでいた。P. wahlenbergii は 1度しか見ていないが,それよりも高さがやや低くて生え方が密,無性芽状の小枝があまりついていない,というくらいの違いしか言えない。直接並べてみれば,高さや葉の大きさが一回り小さいことが分かる程度。

顕微鏡下では,(1) 中肋が葉頂に達する(P. wahlenbergii ははるか下で消える),(2) 葉身細胞が±70×10μとはっきり小さい(P. wahlenbergii は ±100×13μ),という違いが分かる。ただ,野口先生の MOSS FLORA に ”This species is very rare in Japan.” とあって大いに弱った。平凡社の図鑑にも本種は取り上げられていない。

朔や無性芽がない場合ヘチマゴケ属の検索表はほぼ使えない(何とかならないものか)。仕方がないので MOSS FLORA の 18種を,一つずつ順にチェックして行った。これが意外と有効で,残りの 17種は全部はねられてしまった。比較的簡単に,あまり迷うことなく。しかし,本当にこれでいいんだろうか。


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 秋風や 靜かに動く 萩芒         高濱虚子
 まどろむや さゝやく如き 萩紫苑     杉田久女
 はしたなき こと憎からず 乱れ萩     山屋かな子


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