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丹後の日記

ハネツボミゴケ Jungermannia plagiochilacea編集する
2007年08月22日17:14全体に公開
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昨日のものは本種の間違いである。油体の数が違いすぎるのだが,一旦は休戦のつもりでいた。しかし,近くに小さな泉があり同じものが水に濡れて少量見付かった。湿地性ということがはっきりしたので,”T. Amakawa : Family Jungermanniaceae of Japan" を初めから 1種ずつ当たっていった結果である。

昨日の「可能性のある 15種」の中には本種を含めていなかった。気が付かなかったのだが,近畿地方の他に,福岡・山口・島根・広島・千葉の記録があった。ありふれたものではないようだが,本種が隠岐にあっても不思議ではない。

本種の著しい特徴(他にない)は,「細胞の中心に集まる(mostly gathering in cell-center)」という油体のあり方にある。実はこのことは最初に気付いたのだが,全く正反対の細胞も目に入って,すぐ意識から消えてしまっていた。今「言われて」みれば,なるほど確かにそうなっている。認識には言葉が不可欠ということだ。

やや硬いような透明感のある葉の質感,少し波打つような葉面が反り気味に平らに展開するところ,確かにハネゴケ属(Plagiochila)を思わせる。昨日は「Jungermannia には見えない」と書いていた。

2日間かかったが,答が出てすっきりした。ただ,図鑑だけで上記の論文を持っていなかったらどうにもならなかっただろう。この事情は他の科・属についても大同小異。コケのアマチュアが増えないはずである。


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 おいらん草 こぼれ溜りし 残暑かな       杉田久女
 花期ながき こともあはれや 花魁草       堀葦男
 めぐる蛾も 花魁草も 暮れにけり         西岡荘人


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