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丹後の日記

マイマイツボミゴケ Jungermannia torticalyx編集する
2007年08月21日22:47全体に公開
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Jungermannia は,「花被」がないと検索表が全く使えない。仕方がないので隠岐にありそうなもの 15種(全 37種中)をまず選び出した。その中から他の形質を使って 1つずつはねていったら本種だけが残った。

自宅近くの山の上に(168m alt.)無住寺があり,裏の湿った石崖に一面にあった。「灯台もと暗し」である。葉が平たく出ていて,目視では Jungermannia には見えない。オオホウキゴケ J. infusca などのように密に固まった窮屈な感じがなく,並んでスイスイと斜上していた(実際には垂れて)。

茎は葉を含めて幅 4mmもあり,この属としては大型である。葉の大きさも長さ・幅とも 2mmはある。葉身中央部の細胞も 60×30μm前後で,「大きい」というのが一番の特徴かも知れない。

最初,葉先に向かう影のような筋(ベルカ)が目について随分こだわったが,部分よってはほとんど見えない場合もある。この属一般に多少ともこのような傾向があるように思われる。このベルカ,実際には紡錘形が線状に並んだもので,カバーグラスの水が乾いた部分では,黒くなってあるいは明るく光って明瞭に見ることができる。

"Amakawa, T. Family Jungermanniaceae of Japan" の記載と,油体の数が合わないのが不安である。図版にある葉の付着線が短かめで湾曲しているのも気になる。しかし「非常に多形な種」ということなので,このままにしておいて花被(もうすぐ出来るはず)の観察を待つことにする。

油体は葡萄房状(やや不明瞭)であるが,形は直径 5μmの球〜長さ 15μmの紡錘体,数は 1〜 10以上とでたらめであった。「Oil-bodies 2-3 in each cell」とは全く違う。同定が間違っているかも知れないが,それはそれで面白い。

≪追記≫
正しくは,ハネツボミゴケ J. plagiochilacea であった。


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