小さい滝の水が降りそそいでいる（強めの雨程度）腐木上に，濃いグリーンでべったり重なって貼り付いていた。標高 400mで樹林が開けて明るい場所。

同属のナンヨウトゲハイゴケ W. hornschuchii なら隠岐にもありそうな気がするが，本種は信用できない。わずかに，屋久島と山口県の記録を見付けただけである。

W. hornschuchii ではないとした理由。

(1) 葉が丸くはつかない。疑う余地なく扁平につく。左右の葉は折り畳む形に曲がり，背腹のものは相称形で凹む。

(2) 葉の形は，倒卵状ではなく上部が丸くなる傾向もない。楕円状披針形で中央部が最も幅広い。葉基部はきゅっと引き締まって狭くなる。

なお，『MOSS FLORA』には，葉身中央部と翼部の細胞の計測値が出ているが，これは強いて言えば W. hornschuchii 寄りかも知れない。また，翼部は透明で茎葉自体も全く色づかないがこれは関係なさそう。

属については疑う余地がないので，しばらくこのままの同定で放置するしかない。


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　炎天の　地上花あり　百日紅　　　　　　　　高濱虚子
　世の中や　ひとり花咲く　百日紅　　　　　　正岡子規
　百日紅　日向もつとも　冥（くら）かりき　　　村上高悦