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丹後の日記

コバノエゾシノブゴケ Thuidium delicatulum編集する
2007年08月07日16:05全体に公開
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滝の飛沫がかかる濡れた土の上に(400m alt.),高さ 10cmを越える太い茎が(正確には枝)並んで立ち上がり, 1cmくらいの短い枝が左右に羽状に展開,今まで見たことのない形をしていた。

まず,ホンシノブゴケ属 Bryonoguchia ではないことを確かめようとした。図鑑にある図のパピラが異常に長くて 100%信用できず,結構時間がかかった。

その後にたどり着いたのは,オオシノブゴケ T. tamariscinum で大いに慌てた。隠岐にあるとは思えないので,もう一度初めからやり直さざるを得ない。

結局,枝葉の先端の 1個の細胞が・尖って平滑か,・切形でパピラを持つか,の違いである。最終分枝の枝葉では例外なくパピラがあるが,平凡社の図鑑の本文のように「大きな枝の葉」で,となるとかなり微妙で,ここで間違えていた。

T. delicatulum なら隠岐にあっても不思議はない。多分間違いないであろうが,T. tamariscium とどう違うのかはさっぱり分からない(顕微鏡的な差以外)。


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 緑蔭に コーヒー匂ふ ログハウス     佐藤暁子
 緑蔭に 憩ふは遠く 行かんため     山口波津女
 緑蔭を 来しつめたさの 耳飾り      朝倉和江


コメント

  • ハイゴケ屋

    ハイゴケ屋2007年08月08日 09:55 削除
    Thuidiumは,易しそうで難しいですね.私も悩ましく思うことが多々あります.

    「枝葉の先端の 1個の細胞が・尖って平滑か,・切形でパピラを持つか,の違い」は,私も,判断に悩みます.パピラの細かい形状は,葉のサイズや生育環境でやや異なるような気がして,検索で使えるほどに安定した形質かどうか疑問に思います.

    ご承知のように,日本産Thuidiaceaeは渡辺良象先生が再検討なさったのですが,Thuidiumの一部の種に関して,野口先生は別のお考えだったようです.Illustrated Moss Floraでは,渡辺先生のものとは異なる種概念・検索をだしておられます.さて,さて,どういうところで落ち着かせるか・・・
  • 丹後

    丹後2007年08月08日 11:55 削除
    > パピラの細かい形状は,葉のサイズや生育環境でやや異なるような
    参考になります。形質については,(絶対) 100%・(通常) 85%,(時に)?%等,区別しないといけないですね。Thuidium はイヤだという印象でしたが,最近そうでもなくなってきました。

    渡辺・野口両先生の違いについては,私もアレッと思ったことがあります。安心しました。

丹後

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