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丹後の日記

フソウツキヌキゴケ Calypogeia japonica編集する
2007年07月29日13:47全体に公開
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最近までツクシホラゴケモドキ C. tsukushiensis とされていたものである。名前が変わった事情はよく分からない。今までトサホラゴケモドキ C. tosana しか知らず,なじみのない属である。チャボホラゴケモドキ C. arguta も必ずあるはずだが未だ気付いていない。

葉質が薄く軟弱で,植物体も小さく注意を引きにくいものが多い。純群落ならまだしも,他のものに少量混生していたりするとつい無視していまう。ただ,倒瓦状で腹片を欠くものはあまりないので,属の見当はつけやすいと思う。

葉身細胞は大きくて(約55×30μm)・薄壁・トリゴンはなく・表面は平滑。楕円又は紡錘形の油体(長さ±10μm)が 2〜4個程度あって(内部は微粒状),通常その中央に大きな「眼点」が見られる。これは近縁の他種と異なる著しい特徴である。こういうのは,同定後安心感があって気分がよい。しかし簡単すぎて,微妙な事実を知ったという達成感はあまりない。

なお油体の中央が白く光るだけでは,眼点とは言わないので注意が必要である。内部が均質でなければならない。

流れのすぐ近く,岩上の薄い湿土の上にあったが,こういう場所が本種の定位置のようである。


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 鬼百合や りんとひらいて 蝉のこゑ        史邦
 しづけさは 鬼百合の丈 そのあばた      森 澄雄
 鬼百合や 灯台の影 引く崖に          福島五浪


コメント

  • 退会したユーザー

    退会したユーザー2010年10月05日 00:01 削除
    この間菅平に行って採集したCalypogeiaの中に、無性芽をつけた個体がありまして、最初はタカネツキヌキゴケかと思ったのですが腹葉が2裂し歯がありました。そこで油体を見たところ、均質の紡錘形〜ブドウ房状だったのでチャボホラゴケモドキが候補から外れ、トサホラゴケモドキが残ったのですが、トサホラも無性芽はつけますか??
  • 丹後

    丹後2010年10月05日 22:13 削除
    トサホラゴケモドキの観察メモに,『しばしば,茎の先が細く尖って立ち上がり,先端に粉のような無性芽がつく。』となっていました。

    Calypogeia共通の特徴のようです。時期がぴったり合うとどっさりつけています。
  • 退会したユーザー

    退会したユーザー2010年10月05日 22:53 削除
    そうですか。安心しました。図鑑に書いてないもので・・・

丹後

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