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丹後の日記

二番煎じ編集する
2007年07月01日23:45全体に公開
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今回の採集では未知の種が一つもなかった。無意味だったかというと決してそんなことはない。一度同定したからといってその種が分かったことにはならない。既知の種を再度観察して色々気付いたことが多かった。もちろん採集時には既知かどうかは曖昧で,だから持ち帰ったことになる。

 ホソバギボウシゴケ Schistidium strictum
いくらでもあるので軽く考えていたが,とてつもなく変化するようだ。葉身細胞の形や大きさまで違うのがある!まずは朔のついたもので観察しなければ混乱すると思った。

 オオハリガネゴケ Bryum pseudotriquetrum
高さ 7,8mmの密なマットが胞子体をぎっしりつけていた。付近一帯は皆そんな感じで不思議な気がする。こんな小さいのは初めてだが,胞子体も初めて見た。

 コツクシサワゴケ Philonotis thwaitesii
見馴れたものより玉(朔)がはっきりと大きくて驚いた。配偶体も大きく,暗緑色の固く厚いマットになっていた。今までの記憶では,配偶体は「小さくて黄緑色」の印象しかない。

 アズマキヌゴケ Pylaisia nana
別の島で 2例目を見付けて安心した。今,朔が成熟しているのはこの種だけである。副産物として,キヌゴケ P. brotheri にやっと確信が持てた。「翼細胞は葉縁に沿って縦に 25-35細胞」というが,常にそうであるわけではない。大きな茎葉で数の多そうなのを探す必要がある。

 トガリバイチイゴケ Taxiphyllum cuspidifolium
今までは樹幹でしか見ていないが( 4ヶ所),道端の岩の上にあった。湿った状態では独特の外観があって,一目で分かるようになった。どうも,野外で一目で分からないと本当に知っている気がしない。

 チャボヒシャクゴケ Scapania stephanii
図鑑には書いてないが,葉縁に歯のない全縁のものがありそうである。極端に小さいのを見たこともあるし,相当変異がある種のような気がする。


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 愉(たの)しくて ぎしぎし花を 咲かせけり     川上弥生
 ぎしぎしの 花も見ごろの 青さかな         藤村真理
 羊蹄の 花の畢(おわ)りを 誰も知らず       山本源


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