もう 20年近くカメラを使っていない。デジタルカメラがよくなっているので,コケが一段落したら(後 2年)また写真を始めようかと思っていた。ところが,急に写真の必要な記事を頼まれてどうしても必要になった。カメラは他人のを借りる気になれないので,ぶつくさ言いながらネットで探してみた。
一眼レフ以外はカメラと思ってないため無駄な投資はしたくない。そこそこ写ればよいのでコンパクトデジカメに限定。(1) 実売価格 3万円以下,(2) 小さくて軽い(ポケットに入る),(3) 接写に強い,という条件をつけた。全条件をクリアしたのが,リコーの Caplio R6 という 3月発売の機種。このシリーズはマクロに強いことで以前から定評があるらしい。
色々調べみてコンパクトデジカメの進歩にショックを受けることになった。まだ現物は届いていないのだが,画質も L版サイズでは一眼レフと差が出ないという。L版(約 13×9cm)以上に大きなサイズはそんなに必要がないし,何よりも,値段: 10数万円,重さ: 1.何kg,三脚必須,とはえらい違いだ。どちらがどうという比較の問題ではなく,これはもう別の種類の道具である。
被写界深度がやたらに深いという,接写には好都合な特徴もある。いくら考えても携帯電話は持つ気になれないが,コンパクトデジカメは記録用として十分使えそうな気がしてきた。ただ,撮して安心して「そのもの」を見なくなる危険はある。
10年ちょっと前,デジカメが初めて登場したときは,気味悪く思わず引いてしまうような画質であった。今昔の感というか,往事茫々というか・・・。初期の頃からパソコンに関わってきた者として,この進歩はとにかく嬉しい。
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紫陽花の 夏は来にけり 山の町 道彦
あぢさゐの ローランサンの 色に出づ 牧瀬蝉之助
紫陽花の 藍に溺れし 息づかひ 黒羽貞子