自宅近くの神社の境内( 2ヶ所),半日陰の湿った庭を絨毯のようにぎっしり埋め尽くしている。屋根(銅板)の水がかかる場所も平気なようだ。場所や生え方から,ケヘチマゴケ P. flexuosa ではないだろうと以前から思っていた。胞子体も全く付けない。
P. flexuosa を今まで見たのは,いずれも明るい裸の土の斜面でそれほど湿った場所ではない。そして今胞子体を沢山つけている。ただ,両種の決定的な差異が分からない。ほぼ一日ぐずぐず調べていたが結局確信を持てずに終わった。
唯一はっきり違うと思ったのは,茎の中部以下の葉の形である。P. flexuosa は“線状”披針形で,葉基部近くがもっとも幅広くあまり披針形の感じがしない。一方,P. proligera らしきものは,きれいな披針形になる。ふっくらとして“卵状”披針形になるものもある。これは僅かな差であるが,明瞭に 2つに分けることができる。
無性芽についても比較したが,P. proligera 候補の方が量が多く,長さが一定で揃っている,という程度しか言えない。平凡社の図鑑の写真のように,どっさり溢れるほどついたものはなかった。
今後神社の近くを通ったら必ず覗いて,胞子体を探すことにしよう。
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透明に 風すぎてゆく 若葉かな 川口咲子
若葉して みな生きてゐる 匂ひかな 廣瀬町子
ブラウスを 透す体温 若葉風 長屋きみ子