ヒメスズゴケ F. cryphaeoides が難解だったので,両種の差を整理してみた(自家用)。今やっておかないと多分忘れる,あるいはその必要を感じなくなる。朔があれば話はなくなるのだが,いずれも雌雄異株で胞子体はできにくいようだ。もっとも,F. japonica には 1回(朔付き)しか出会っていないので一般性を欠く心配はある(F. cryphaeoides は 4回)。茎葉(二次茎)についてのみの観察。
(1) 枝の出方
J : 長さが揃っており方向も一定,一目できれいな羽状であることに気付く。枝は密に出て平面的に並び,やや広い角度で開く。
C : 長さは不揃いで長短様々,ごちゃごちゃして羽状には見えない。枝はやや疎らに出,狭い角度で上に向かって伸びやすい。
(2) 葉の形
J : 葉長の 1/2以下の位置で急に狭くなり,上部が細長く伸びるものが多い。あまり見ない形が印象的。
C : 卵状披針形で,普通葉先に向かって漸尖する。急に狭くなる場合も,そうなるのは葉長の 1/2から先の上部のみ。
(3) 中肋の長さ
J : 葉長の 1/2前後。あまり長いものはない。
C : 葉長の 3/4近くまで。時にはもっと長くなる。
(4) 色
J : 緑〜黄緑。
C : 暗く濃い緑。
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まむし草 花のつもりで 咲いてゐる 田中三樹彦
まむし草 疎んじをれば 挑みけり 文挟夫佐恵
狂わねば 見えぬ道あり まむし草 玉崎千鶴子