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丹後の日記

コモチイトゴケ Pylaisiadelpha tenuirostris編集する
2007年04月30日17:02全体に公開
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海近くの神社境内,クロマツの樹皮の割れ目を充填する格好で一面にあった。暗い緑色だが黄褐色を帯びたり白っぽく見える部分もある。多少の光沢もあるようだ。朔は無い。

乾いていたので,細い糸がぎっしり並んで斜上しているように見えた(長さ ±7mm,幅 ±0.6mm)。葉が茎に接着して紐状になっているかと思ったが,実際は緩く接する程度で狭い角度で開いている(濡れるとやや大きく開く)。

最初は,イヌケゴケ Schwetschkeopsis fabronia の一型と思ったが,葉縁の細胞の形が違うし翼部の細胞の数が少な過ぎる。諦めかけていたのだが,浅井郁夫氏のWEBページの“写真(f)”を見てびっくり,これだ!と思った。人間のパターン認識能力はすごいものだ(時には間違うが)。
http://fungi.sakura.ne.jp/moss_memo/memo_2007/moss_070326.htm

翼部がナガハシゴケ科らしくはなく,思い付かなかったのも無理はない。無性芽を一生懸命に探したら,やっと葉間に数個見付かった。稀に枝の先に多く集まることもある。10細胞前後の細胞が 1列につながった虫状のもので,細胞の表面がザラザラしており,細胞壁が茶褐色を帯びやすい。

それにしても本種の無性芽は見付けにくい。最初の観察では無いものと思っていた。一般に図鑑類で「無性芽がつく」と書いてあっても,その頻度や程度については触れてないので困惑する。いつも「必ずつくのか?」という疑問を持つ。

よく似たものに,ケカガミゴケ P. yokohamae があるらしい。平凡社の図鑑では同一種とされているが,最近はそうでもないようである。P. yokohamae かどうかは実態がはっきりしないので何とも言えない。


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 咲き重ね 静かなるかな 八重桜      富安風生
 日と空と いづれか溶くる 八重桜      渡辺水巴
 香のあらば 深酔しさう 八重桜       清水美代子


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