[mixi] フトスズゴケ　Forsstroemia neckeroides

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丹後の日記

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フトスズゴケ　Forsstroemia neckeroides編集する: 2007年03月30日10:46; 3 view

スズゴケ F. trichomitria は時折見かけるが，本種は 1度だけそれらしきものを採集したことがあっただけ。「とてもスズゴケと同一種だとは思えない」と書いてから約 1年，胞子体がついてないので長い間宙ぶらりんで気持ちが悪かった。今回やっと朔が数個ついたものに出会って名前がはっきりした。

F. trichomitria は蒴柄が長くて胞子体がはっきり雌苞葉から超出するが， F. neckeroides の方はせいぜい朔の頭が見える程度でその差は明瞭である。

標高 350mくらいの明るい自然林，カツラの巨木でトガリバイチイゴケ Taxiphyllum cuspidifolium の群落中に僅かに着生していた。空中湿度の高そうな環境である。

胞子体なしで何とかならないものかと考えてみたが，結局うまく表現できなかった。両種とも知らない人が，こちらだと特定できるような説明のことである。細胞の大きさや形に微妙な違いがあるが，顕微鏡写真を並べて掲載しないと無理かもしれない。

なお，細胞壁のくびれ方に差があって，F．neckeroides の細胞壁が比較的滑らかな曲線であるのに，F. trichomitria はくびれが明瞭で輪郭線がゴツゴツした感じになる。しかし，その程度には同一種内でも多少の個体差があってびっくり。細胞といえども絶対ではない。

外観では，F. neckeroides は二次茎から出る枝が整った羽状で，葉面が平らに見える。F. trichomitria は枝の出方が不規則で，平面的な感じにはならない。観察数が少なくて確実ではないが，これは野外での基準として使えそうな気がした。

また，乾いてくると葉面の先が上向きにカーブするが（垂れるコケに共通），その様子が少し違う。F. neckeroides の方が，巻き込むような感じでより顕著だと思う。

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　谷幽（くら）く　むらさきけまん　咲き揃ふ　　　　　　塚田　文
　竹藪の　むらさきけまん　生ぐさし　　　　　　　　　　八幡城太郎
　冷え性の　けふも　むらさき　けまんかな　　　　　　邊見京子