隠岐にも可能性はあると思っていたがついに見付かった。ウチワチョウジゴケ Buxbaumia aphylla と並んで生えていて,葉の色が黄緑色なので採集する気になった。イクビゴケ D. fulvifolium は通常暗緑色である。
外観的には,葉が小さいことと(枚数も少ない),葉先が漸尖して尖ることに着目すればよさそうだ。D. fulvifolium の方は長楕円形で“円頭”である。しかし,両者の厳密な区別となると意外に難しい。分類形質に絶えず多少の例外が出るためであろう。そのことを念頭において記載を読んだ方がよい。
以下の 2つが一番分かりやすい区別点であると思った(雌苞葉ではない普通葉について)。
(1) 葉の先端の形
D. fulvifolium : 切形に近いような円頭で,微突頭。
D. foliosum : 徐々に細くなり先は尖る(ただし,先端は鈍)。
(2) 中肋の伸び方
D. fulvifolium : 背面に隆起して強く,葉頂に達する。葉頂直下で終わることも稀にあるが,その場合も「徐々に薄れていって」という感じではなくてはっきり終わる。
D. foliosum : あまり強くはなく徐々に薄れてゆき,葉頂のはるか下で消失する(見えなくなる)。葉頂近くまで中肋が見えることはまずない。
内雌苞葉(朔に接するやや小型のもの)の上部が矢筈形に分かれるのもよい区別点であるが,D. fulvifolium にもそんなのが混じることがあるので要注意である。他に,「気孔が朔の基部にある(D. foliosum)か,口の周辺にあるか」という違いがあるという。次回はこれに挑戦したい。
---------------------------------
花言葉 かがやくばかり 種を蒔(ま)く 藺草慶子
花の種 蒔きて人にも 優しかり 井上美子
罌粟(けし)蒔かむ 恋物語 読み終へて 山根真矢
写真も見たいですが無理ですかね?
日本全体で 1,700種,島根県でも 500近くはあるのではないでしょうか。まだ調べ始めたばかりですが,隠岐のコケも 300は越えると思います(現在 250種を採集)。非常に珍しいものも見付かっています。
写真は撮りたくてうずうずしていますが今は禁欲中です。まだ 1,2年は,未知の種の発見・採集に目的を絞るつもりです。撮影目的とは行動や意識がかなり異質ですし,単にメモ的な写真を撮っても・・・,という気がします。
僕も撮りたくなりました。