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丹後の日記

アオシノブゴケ Thuidium pristocalyx編集する
2007年03月03日15:36全体に公開
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Thuidium は同定が難しいという印象を持っていたが,難しいのはむしろ採集の方かも知れない。皆同じような姿をしていて野外では見分けがつかない。小型の種かなと思えば,大型種の大きく生長していないものだったりする。

この種も休憩した場所の目の前にあったのをただつまんで帰っただけである。それでも,現地で “茎葉の先が毛状に伸び出していない” ことだけは確認した。茎葉の先が細く尖るのは,おなじみのトヤマシノブゴケ T. kanedae とヒメシノブゴケ T. cymbifolium である。

固まっていたので気付かなかったが,ほぐしてみて “細くて長い糸のような茎に短い枝がまばらに出ている” 繊細なものであることが分かった。茎葉が長めで茎に張り付く傾向があり,毛葉がほとんどないこともよい特徴である。

各葉身細胞の中央に 1個の大きなパピラがあって非常に目立つ。何故か茎葉の方がより顕著。先が分かれるいわゆる“金平糖状”のものだが,細く鋭く伸びて線香花火が開いたようで見事である。他にこの種のパピラを持つものに T. kanedae があるが,完成度においてとても及ばない。パピラを見ただけで種名を特定できそうである。

普通種なので今までにも見ていたに違いないが,採集する気が起きなかったのだろう。まだ野外で見分けることができないので,あまり威張れない。


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 椿咲き 日輪海の 上わたる        岸風三樓
 古郷は 牛も寝て見る 椿哉          一茶
 これと云ひ 見るものの無く 藪椿     高澤良一


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