[mixi] シッポゴケ　Dicranum japonicum

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丹後の日記

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シッポゴケ　Dicranum japonicum編集する: 2007年02月21日16:00; 3 view

カモジゴケ D. scoparium との違いが曖昧だったが，シッポゴケの標本が入手できたので比較して見た。単独で見ていてははっきりしない違いが，並べて見るとよく分る。多くの相違点があるが（予想以上），それを同定に使えるような形に表現するのは難しい。

取りあえず，以下の 2つを自家用の判定基準とすることにした。
(1) 葉の出方
シッポゴケは直角または下へ垂れ，方向もバラバラで一定ではない。部分的にでも一方向に揃うような傾向はない。カモジゴケは斜上する葉の方が多く，下へ垂れることはない（下部の枯れた葉は別）。一方向に葉の向きが揃って緩くカーブする部分が，必ずどこかには含まれる（特に茎の上部）。

(2) 細胞の長さ
計測する位置を，葉の長さの1/2（上下の丁度真ん中）で，中肋と葉縁の中央部に固定する。
　シッポゴケ　75-100μm，　カモジゴケ　30-55μm。
大小両極端（少数）を無視した値であるが，これが一番明瞭かつ確実であると思われる。細胞の大きさに差のあることは知っていたが，どの位置で測るのかはっきりしなかった。例えば，「上部（upper）」と言われても，どこなのか初心者には勘が働かない。

今回感じたのは，比較するものがあれば如何に認識が楽かということであった。同一種であっても近似種であっても確実なものが目の前にある場合に比べ，何もない状態での同定作業は難しさが一次元上のような気がする。またアマチュアの場合，結果が出てもその正否を判断するのも自分だけという厳しさがある。

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　黄梅の　清洌の黄と　いひつべし　　　　山田夏子
　黄梅の　日射日増しに　眩しかり　　　　　安居修一
　石垣の家　黄梅と　人妻と　　　　　　　　　山上樹実雄

Hookeria!!2007年02月22日 19:15

> 比較するものがあれば如何に認識が楽かということであった。

確かに頼れる標本などがあれば、違うものは明らかに違うと分かるし、
同じであれば自分だけで同定したものよりも自信がもてて、気持ち的にも楽ですね。
私の机は、同定(?)はしてみたものの、ちゃんとした標本と比較したい、と思う標本で溢れ返っています。
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丹後2007年02月22日 20:06

自分の判断に確信が持てず他人に保証して貰う，というのは何だか情けないですね。もちろん私も何種かそういうのを抱えています。「経験を重ねて徐々に何となく分かってくる」というのも，個人的には好きではありません。

原因の一つに情報不足，あるいは説明の不備があると思います。分からない方が悪いのか，分からせることができない方が悪いのか，は難しい問題です。もっとも，図鑑類の主たる目的は，「初心者に分からせること」にはないようですので，図鑑の欠陥とは言えません。

1種につき A4版 2ページ（説明 1，写真 1）ぐらいのコケの本を作りたいですね。地域を限れば可能だと思います。赤字覚悟で。
Hookeria!!2007年02月22日 22:33

> 原因の一つに情報不足，あるいは説明の不備があると思います。

私の場合はそれに加えて、採取する時の知識不足で、
蒴や雌苞葉などが無いとなかなか種名にまで辿り着けないコケを
平気で何でもつまんで来てしまう点にあると思います。
その場合標本の比較以前の問題かも知れませんが。
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