[mixi] ヒメキンシゴケ　Ditrichum macrorhynchum

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丹後の日記

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ヒメキンシゴケ　Ditrichum macrorhynchum編集する: 2007年02月17日20:01; 3 view

各地の蘚類リストにあまり出てなくて珍しそうなコケである。宮城県は正規準標本（1909）の産地であるが，現在は宮城県レッドリストの“情報不足種”になっている。農家近くの水田の土手にあったので本当だろうか？と思ったが，そのような場所にも現れるもののようである。

3種の検索表をたどってみたが，不安を感じる点はなかった。
【保育社】　すんなり通過。
【平凡社】　「葉は・・・，乾くと開出する」は妙な表現だが，「乾くと茎に強く圧着する」を否定したものであろう。実際，葉は上に狭い角度で斜開，乾いても緩く開いたままで，多少茎側に曲るが圧着するとはとても言えない。
【Noguchi】　雌雄異株を確認していないが，葉長が 1.5mm強（shorter than 4mm）なので通過。

茎の高さ 6,7mm，蒴柄も±7mmという小さいものだったが，蒴柄が赤いので歩きながらでも気が付く。造成したばかりの土手，裸の土の上に小さな群落が点々と続いていた。

所属が分らなくて久しぶりに，西村先生の「コケの主な仲間」を開いた。円筒状の赤褐色の朔が直立，蒴歯は一重で 16本が深く 2裂して 32本に見える。口環がよく分化していて目立つ。蒴歯は長さ 0.4mm強で緩く捩れる（巻く）のだが，何故捩れると書いてないのだろう？ここが唯一不満。

・葉身細胞は整った短い矩形でやや厚膜，・葉縁は狭く明瞭に反曲する，のもよい特徴である。仮根上に無性芽を生じるが，こぼれ落ちるので砂粒と紛れやすい。黄褐色の多細胞の塊で（手榴弾状）短柄があることが多い。また，妙に葉が柔らかかったが，これはこの種特有ではないであろう。

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　あつと言ふ　言葉のやうに　クロッカス　　　　曽根悟子
　クロッカス　地に花置きし　如くなり　　　　　　高濱年尾
　日の庭に　愛語撒くごと　クロッカス　　　　　下村ひろし