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丹後の日記

キノウエノケゴケ Schwetschkea matsumurae編集する
2007年01月12日13:40全体に公開
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樹幹に着生して 3-5mmの枝が斜上,糸屑状にぎっしり固まる。外観は,イヌケゴケ Schwetschkopsis fabronia (別名:キノウエノホソゴケ)に驚くほど似ている。ただ,イヌケゴケは乾くと葉が枝に接して細い紐のようになるが,本種は葉先が開いたままであまり枝に接しない。また,顕微鏡下ではまるで異なる。

1年前に採集したものだが,アオギヌゴケ属に迷い込んで行き詰り(小型種),放置してあった。今回コゴメゴケ科の可能性を思い付いたら,割とスムーズに種を特定できた。胞子体があればもっと簡単明瞭だったのだが,探しまわって却って知識が増えたことを良しとしよう。

ただ,朔が無いためにコンテリケゴケ Helicodontium doii なる種との区別が厄介である。記載を比べても大きな差がない。最終的には,"Illustrated Moss Flora of Japan (Noguchi)" の図版で判断した。キノウエノケゴケは葉先がもっと細く長く尖る。それに,コンテリケゴケの方はずっと稀産種でもある。

付記: 本種の中肋は弱いが,コンテリケゴケは強壮でより長い。

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 木の姿 枝のかたちに 冬日満つ       増田國久
 桐の木に ありし冬日の 失せにけり     加倉井秋を
 冬の日の 刈田のはてに 暮れんとす    正岡子規

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