検索フォーム

丹後の日記

ナガサキテングサゴケ Riccardia nagasakiensis編集する
2006年12月18日23:16全体に公開
3 view
スジゴケ属は初めてで何だか様子がよくわからない。ほとんど手掛かりがないような感じで,同定の難しそうな仲間である。以前,この属のごく小さな奴に向かったが,とても駄目だと感じて諦めたことがある。 大体,葉状体の裏表の区別すら定かではない。

今回すんなり同定ができて自分でも驚いている。平凡社の図鑑の検索表を使ったのだが,児玉務『近畿地方の苔類』が非常に役に立った。なにしろ参照できる“図”が少なく闇での手探りに近い。皆よく似ていて形の変異も甚だしく,“写真”は役に立たないような気がする。

切片で断面を見なくても,顕微鏡の焦点面をずらすことで,以下が確認ができた。
(1) 翼部はほとんど感じられず,それらしき場所でも 1細胞幅くらい。
(2) 表皮細胞は内部細胞より著しく小さく,せいぜい 1/3 大程度。
(3) 内部細胞に大きい油体があるが( 1個のことが多い),表皮細胞にはほぼ皆無。

北向きの岩壁の裾,増水すると水を被るような辺りであった。ぎっしりと厚い層を作ってこびりついており,強く印象に残った。初めて目に止まったものなので生態については何とも言えない。

唯一の気がかりな点は,色が明るい黄緑色で「褐色を帯びる」ではないことである。保育社の図鑑にいう「暗緑色」でもない。褐色は「乾燥標本で顕著」ということなので確かめた方がよい。


---------------------------------
 冬桜 少女のいろに 咲きいでし       谷口ふみ子
 うつし世の ものとしもなし 冬桜       鈴木花蓑
 冬桜 なにごともなく 散りにけり       上野好子

コメント

丹後

close
  • 絵文字

利用規約および個人情報保護ページに同意のうえ投稿してください。

日記を書く

友人の最新日記

<2006年12月>
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      

日記の使用状況

0.8MB/2000.0MB