コケを始めてから満 2年。色々思い出に残る種があったが本種もその一つである。ホソハリガネゴケ B. caespiticium との関係が微妙で宙ぶらりんにしてあった。本種が,あまり記録のない稀産種のように思われるので,用心したためである。
今日自宅の近くで,緑色の朔が(帽が取れた状態)目立っていたので,再度調べてみた。ホソハリガネゴケ自体を知らないのでかなり心もとない話である。しかし,今回も「とりあえずマエバラマゴケとしておくしかない」という結果であった。
(1) 葉縁が反曲するかどうかがキーとなるが,どう見ても「強く反曲する」とは言えない。
(2) 葉の中肋の突出が 0.1mm強,長くても 0.2mm以下で短い。
(3) 蓋が凸というよりドーム形に近く嘴は痕跡的,長さは ±0.4mmとずんぐりしていて短い。
(4) 葉は卵状披針形で葉先がふっくらとして,直線的に細まる傾向はあまりない。幅も±0.6mmと広い。
なお,このコケは何回か(いずれも林道)見ているが,朔は成熟すると濃いワインレッドになって遠くからでもよく見える。また,小枝に葉のついたような無性芽をいっぱい付けてボロボロこぼす。とにかく色々と個性的な代物だが情報がないのでどうしようもない。WEBで検索したら何100件も出て来たが詳しい解説は見付からなかった。
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寒くなる 八ッ手の花の うすみどり 甲田鐘一路
八ツ手咲き この世ひととき 華やぐか 中嶋秀子
見飽きもせず 惚れ惚れもせず 花八ツ手 京極典子