ヤスデゴケ属は日本産が 48種もあるというのに,やっと 3番目に見付けた種。シダレヤスデゴケ F. tamarisci ssp. obscura と,カラヤスデゴケ F. muscicola なら飽きるほどあるのだが・・・。もっとも,一地方に 48種もあるわけはなく,隠岐島ならせいぜい 5,6種類のものであろう。
この属には褐色系の色がつきやすいようだが,本種は澄んだきれいな緑色であった。“腹片口部の先端が長刺状に伸び出す”という著しい特徴があり,他の種と容易に区別ができる。腹葉の側縁にしばしば鋭い鋸歯が出ることもよい特徴である。
ただ,腹片のほとんどが尖った舌状に開いており(多分和名の根拠),ちゃんと袋状になったものを捜すのが大変だった。こういう状態が普通なのかどうかは,初めての採集なのではっきりしない。
なお,葉細胞は厚膜でトリゴンは大きいことになっているが,部分によって随分感じが違うので,全体を見渡すことが必要だ。とりわけ葉基部や腹葉で細胞壁の肥厚が顕著であった。細胞壁の中間部が膨らむのも面白い。凸凹が極端になってジグソーパズルのピースのように見える細胞もある。
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冬苺 誰も気付かぬ 盛りかな 佐藤蓴子
冬苺 ためらひがちに 日がさして 足立綾子
冬苺 海一枚と なり光る 深見けん二
植物に詳しいですね。
遊びのようなものです。日記もごく限られた人にしか意味を持ちません。