いわゆる「葉状体」は今のところ敬遠中で調べ方も分かっていない。たまたま採集する気になったのは,葉の先に無性芽らしきものが沢山できていたから。まず「科」からして分からないので,科の検索表が欲しいと思った(フタマタゴケ目とゼニゴケ目)。
同定の根拠は以下のようなもので確実な保証があるわけではない。
(1) ヘビの鱗のような模様,(2) 幅の狭い(±3mm)葉状体,(3) 秋にできる無性芽,(4) 生態写真との比較,(5) 普通種であるという事実。
葉状体の先が細く枝分かれして地衣類の一種を思い出させる。その先端に楕円体を潰したような厚味のある無性芽できる。葉面に疣のように高く膨れた所が見えるが,これは若い雌器托だそうである。無性芽には「円盤状」と「粉芽状」の 2型があるようで(何故?),これは円盤状の方。長い仮根を噴き出しでいるのもあるが,驚いたのはちゃんと小さな「腹鱗片」も付いていること。
ゼニゴケ目の特徴で仮根に 2型が混じることを知った。 1つは単に透明なものだが,「有紋型」の方はちょっとした眺めである。内側に向いて細胞壁から棘状のパピラが生えている。こういう構造が発達するには,何かそれだけの理由があるのであろう。
<付記>
採集品は雌株のようである。ひょっとしたら無性芽の 2型は雌雄に対応しているのかなぁ〜?(雌株=円盤状)。
「若い雌器托」ができていても,冬に枯れるのなら無意味だと思ったが,「その周りは枯れない」で冬越しをするそうである!用意もいいし,うまくできてる。
三日月形の腹鱗片の先の方に「円形の付属物」を確認できた。片側が突出して丸い形の半島ができる。これで,確かにヒメジャゴケであると言えそうである。
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行く秋や 松にすがりし 蔦紅葉 正岡子規
蔦もみぢ 濡れしは今か しぐれけむ 水原秋櫻子
廃屋に 流るる月日 蔦かづら 貝塚淑子
普通種とは書いてありますが
金色になったり無性芽をつけたりしている
ジャゴケ属のコケには出会った事がありません。
目が悪いだけかも知れませんが。(◎_◎)
そうですね。ちょっときばって探してみます。(^-^)
ちなみにジャゴケC.conicumの方も渓流沿いなど
かなり湿った場所に生えるように思います。
我家の困りものです。
疣状の雌器托は葉の先端,二股の分かれ目にでき,雄株の小判形の雄器托は延びだした葉の上(先の方)にできていました。
無性芽の粉芽状というのは,単に小さい円盤状のが沢山付いている状態のことのようです。
無性芽ができる位置には,前もって紫色の腹鱗片が伸び出していて,後から肥る無性芽を待ち受けているような感じです。