[mixi] チョウチンハリガネゴケ　Pohlia wahlenbergii

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丹後の日記

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チョウチンハリガネゴケ　Pohlia wahlenbergii編集する: 2006年11月14日14:52; 3 view

明るい黄緑色で柔らかい感じの蘚。自然林内の明るく開けた小流の近く，湿った土の斜面にあった。茎は細長く葉がまばらに付いて，平凡社の図鑑の写真は非常によく感じが出ている。茎と葉（いずれも下部の方の）の中肋が赤味を帯びるのも特徴の一つ。

ヘチマゴケ属 Pohlia の検索表は朔の形態を使っている。図鑑は朔のない人のことを関知しない。幸い葉身細胞が大きかった（±110μm×±15μm）のでこれを主な手掛かりにした。

茎の先の方から，小さな葉の付いた真っ直ぐな枝を沢山出し，先の開いた箒のように見えた。しかも，その小枝がぼろぼろと落ちやすく，てっきり無性芽だと思った。この枝のことについて強調している文献がなく，少し不安が残る。

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　渡されし　紫式部　淋しき実　　　　　　　　　星野立子
　うすら日の　そこに紫　式部かな　　　　　　　岸田稚魚
　遠き世の　いろこぼしけり　実むらさき　　　　伊丹さち子

退会したユーザー2006年11月16日 14:47

蒴があったら確実だと言うことはわかっても、蒴をつける時期はかなり限定されるので（この蒴がつく時期もほとんど記載されていないが・・・。）検索がいきなり蒴から始まるのは、どうにかしてくれと言いたくなってしまう。説明を読み比べても、で、それで、決定的違いは？と言うことが多く、落としどころに迷うことが多い。数をこなせば良いのだろうけ・・・。タイプ標本と比較できれば良いけれどそうもいかないし。今のところ非常に役に立っているのは、研究班の調査に同行して採集した自分の標本をきちんと同定してもらって、名前が確定した標本です。それと見比べながら同定していっていますが、残念ながらまだ数が少ないので、それ以外のものが出てきたときに困ります。
当たり前のことですが、地道に確実な標本を増やしていくしかないでしょうか。
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丹後2006年11月16日 22:35

『朔がつく時期』，本当に何故書いてないんでしょう。花期の書いてない種子植物の図鑑はないんですが。「基物」同様重要な生態の情報ですし，「不定」のものはそう書けばいいわけですから。

『説明を読み比べても』はっきりしないのは，必ずしもそのような記述がされていないためではないでしょうか。「検索表」でなんとかたどり着いて（たいてい自信がない），説明を全部確かめて「どうもこれらしい」となるわけですが，それでも保証があるわけではありません。

検索表で使われている形質は，全体を種に分けるために選ばれたのもので，特定のその種を「特徴づける」最短の，あるいは最良の判定基準であるとは限らないと思います。

長い検索表とは別に，その種の「特徴づけ」がきちんとされている論文を読むと実に爽快です。例えば，「次の 3点を満たせば，本種と断定してよい」というような書き方です。「検索」に不安がある時でも，あるいは説明文の形質を全部チェックしなくても「確証」が得られます。

『数をこなせば・・・』，『同定済みの標本と比較』，それができない時が問題ですよね。その他に「先生に名前を教わる」とか，「現物を見れば分かる」というのまでありますが，“分類学”としてはどうなんでしょう。もちろん「それしかない」ような分野もあるでしょうが・・・。

分からせようという熱のある文章，語りかける文体，いわば“先生”がふだん口で話すような解説，これが欲しいです。もっとも，図鑑でこれをやったら大部になって赤字が出そうです。
退会したユーザー2006年11月17日 10:23

>長い検索表とは別に，その種の「特徴づけ」がきちんとされている論文を読むと実に爽快です。例えば，「次の 3点を満たせば，本種と断定してよい」というような書き方です。
この、特に，「次の 3点を満たせば，本種と断定してよい」といった整理してわかりやすくしたものが「科学」だと思うのですが・・・。
なんだか愚痴めいてきました。
わかりにくくても、いろんな表情をしているコケはかわいいです。
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