[mixi] カヤゴケ　Rhynchostegium inclinatum

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丹後の日記

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カヤゴケ　Rhynchostegium inclinatum編集する: 2006年11月08日13:18; 3 view

今まで，基物に薄く這って広がり，茎葉がかなり扁平につくものばかり見ていた。コカヤゴケ R. pallidifolium より小さいのに，和名が逆ではないかとも思ってきた。

買物に出かけた帰り道で，コカヤゴケにしてはちょっと変かなというのを採って来た。調べてみるとカヤゴケである。 2cm前後の枝が立ち上がって集まり，ふわっと厚みのある固まりを作っていて，這っている感じを与えない。大きさも決してコカヤゴケに負けていない。イメージの改変を迫られショックを受けた（大袈裟）。

初めに同定したのがカヤゴケの方で（№11），その時にはコカヤゴケ（№69）を知っていないので，結構迷ったことを思い出す。

両種の違いは色々あるが，次の 2点が分かりやすい。
＜葉先＞　カヤゴケは単純に漸尖して尖るのみ（鋭尖の感じはしない）だが，コカヤゴケは“細長く”伸び出して鋭く尖る（やや毛状に見え捩れる）。
＜細胞＞　カヤゴケは短く 95μm前後，110μm越えるものは少ない。コカヤゴケは 120μm以上のものがほとんど。150μmになるのも交じる。

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　青空へ　柿ちりばめて　村は過疎　　　　　　角戸初江
　しぶ柿の　しづかに秋を　送りけり　　　　　　　　　吏登
　柿照つて　道に人なき　刻（とき）のあり　　　久保草風

Hookeria!!2006年11月10日 00:39

丁度今見ているコケが
R.pallidifoliumのようなのですが
丹後さんはやはりレンズに目盛りが振った生物顕微鏡で
細胞の長さを測っておられるのでしょうか？
実体で見ても明らかにかなり長いのですが
今の所それ以上分かりません。
- コメント
丹後2006年11月10日 11:02

生物顕微鏡に，接眼ミクロメーター（10mm/100分割）というのを入れて置きます。 5,000円くらいでしょうか。細胞の大きさを測るときは×400 を使っています。

R. pallidifolium は，葉の先が毛のように伸びますが（やや急に細くなって），R. inclinatum は漸尖して尖るものの，先に針のような鋭さはありません。

R. inclinatum を見付ければ，実体顕微鏡でも違いがよく分かります。今が時期で，低山地の日陰の林道でときおり見かけます。R. pallidifolium の方はもっと普通にあって，林縁の腐植土の上などにフワッとした柔らかいマットを作っています。

白っぽい色になりやすい傾向もこちらの方が顕著です。一方 R. inclinatum は濃緑のものをよく見ます。しかし，色の濃さは環境の明るさとも関連しますが。
Hookeria!!2006年11月10日 18:34

ご教示ありがとうございます。
ミクロメーター、
そう言えばハイゴケ屋さんも「あれば便利やで。」
と言っておられたのを思い出しました。
ほぼ必需品なのですね。

ちなみに私の採取したものは葉形に変異が大きくて
単に鋭頭のものから葉先が長く尖って捩れるものまで多様です。
全体としては、立ち上がる感じが無く文字通り這うコケ
という感じで、色は日陰だった事もあってか濃緑色です。

今私は高知に出張中なのですが
先生のご好意で高知大学の標本庫を自由に見せて頂けているので
さっそく自分の採取したものと見比べてみようと思います。
- コメント
丹後2006年11月10日 19:48

接眼ミクロメーターを実体顕微鏡に使えば，葉の大きさを測るのに便利です。1/10mmまでは楽々。

コカヤゴケに葉形のバラツキは確かにあります。ただ，捩れるものがかなりある，あるいは葉先が“細く鋭く”尖る（毛尖状）ものが結構交じる，ならばコカヤゴケだろうと思います。
Hookeria!!2006年11月11日 09:57

> 捩れるものがかなりある，あるいは葉先が“細く鋭く”尖る（毛尖状）ものが結構交じる，ならばコカヤゴケだろうと思います。

ありがとうございます。まさにそんな感じです。
- コメント
Hookeria!!2006年11月12日 22:02

今日大学へ伺ってRhynchostegiumやら色々拝見してきました。
R.inclinatumはやはり丹後さんのおっしゃったそのままの形質でした。
ありがとうございました。
- コメント
丹後2006年11月12日 22:12

よかったです。たとえ 1種でも“確実に（納得して）”名前が分かると嬉しいものです。ひとに教そわったのでは（同定）その満足が得られません。