[mixi] コツボゴケ＆ツボゴケ

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丹後の日記

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コツボゴケ＆ツボゴケ編集する: 2006年10月19日12:14; 3 view

Plagiomnium acutum と P. cuspidatum の 2つ。雌雄異株か同株の違いがあるだけで，外観では区別できないらしい。これもまた初心者泣かせのイヤな奴という印象を持っていた。

“プロジェクトK1号”さんの「近畿地方でもツボゴケは極々希です」という一言から分布をちょっと調べてみた。まず平凡社の図鑑では「北海道，本州; 北半球」で四国・九州が書いてない。どうも関東以西では，無いわけではないが“極めて稀”なもののようだ。しかも産地はかなり高い山である。普通種となるのは東北より北ではないかと思われる。アメリカ北部からヨーロッパにかけては ”very common”だそうである。

一方コツボゴケの方は，「北海道～琉球；アジア（東部～東南部），ヒマラヤ」。県単位の目録でも北から南まで“ごく普通種”として出ている。確かに隠岐にも，人里から山の奥の方までいくらでもある。

今回の収穫は，ツボゴケが雌雄同株かつ“同苞”であることに気付いたこと。よって今後は，(1) 胞子体のないもの無視，(2) 雄株が見えたら無視，(3) 胞子体があったら必ず手にとって“苞葉の中”を調べる，という方針でいこう。

なお，顕微鏡下では葉形や葉身細胞に多少の違いがあるようである。

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　穂芒の　扇をひらき　そめし頃　　　　　　　湯浅桃邑
　この辺の　景色となつて　ゆく芒　　　　　　稲畑汀子
　あきかぜの　地にみつるとは　芒かな　　　久保田万太郎

Hookeria!!2006年10月19日 21:26

雌雄同苞、、、
そういえばまだ雌雄同苞の種の雄株にまで
目をやった事が無かったです。
同苞の場合、蒴があればその苞葉の中に必ず
雄株があるのでしょうか？
自家受精しないために成熟する時期をずらすなど
していそうですが。
- コメント
丹後2006年10月19日 22:54

雌雄同株の場合の“異苞”は常に目にしているわけですが，“同苞”のものも結構あるようです。今まで，このことが問題になるような種に出会ってなくて，私も観察したことがありません。どうなっているんでしょうか。一つの苞葉の中ですので造精器もむき出しなんでしょうね。

実は，コツボゴケと思われるものの（雌）苞葉を開いて見たのですが，透明な側糸（paraphysis）に混じって，茶色の造卵器（archegonium）らしきものが何個かありました。考えてみたら雌苞葉の中を詳しく調べたことがないのに気付きました。雄苞葉は時々開いて見ますが，造精器（antheridium）は腐ったバナナの皮のような感じです。

両者とも茶褐色をしていますが，いずれも役目を終えた残骸のようです。なお，造卵器・造精器の形は，「写真」より保育社の図鑑の“図”の方が分かりやすいと思います。

この辺り用語に注意が必要です。♂の方でいえば，“造精器”を包むのが“雄苞葉”ですが，2つを併せた perigonium は“雄花葉”と訳すんでしょうか。

雄花葉と雌花葉が同一の株に別々にあるのが雌雄同株・異苞。“同苞”というのは，苞葉が分かれておらず一つの苞葉の中に造精器と造卵器が入っていることです。