[mixi] ツクモハイゴケ Herzogiella turfacea

検索フォーム

丹後の日記

Javascript の設定が無効になっているため、一部の機能を利用できません。

詳細はヘルプをご覧ください。

ツクモハイゴケ Herzogiella turfacea編集する: 2006年06月17日19:18; 3 view

ミチノクイチイゴケとの2種からなるツヤイチイゴケ属。名前に「イチイゴケ」のつくコケが含まれている属は，全部がよく似て見えてどうも苦手である。本種の場合，安心のために茎の切片を作って表皮細胞が大形・透明であることを確かめた方がよいだろう。

ミチノクイチイゴケに比べてはっきりと小さい。そして，枝が扁平に葉をつけている感じが強い（印象であって実際はそれほどでもないが）。

葉の長さの違いが，両者の一番分かり易い区別点かもしれない。葉身細胞の幅も確かに差があるが，葉によってあるいは計る場所によって一定ではないので，あまり明快ではない。

むしろ，細胞壁のくびれを調べた方が面白い。ミチノクイチイゴケの方は，よく見ると（×400）細胞壁が狭まり，隣の細胞とくっ着いて見える箇所（点）が必ず1，2ヶ所ある。保育社の図鑑のカラー図版にはその様子がよく出ている。

両種の決定的な差はないような気もするが，「変種」となってはいないので，中間形はないのであろう。ツクモハイゴケは北半球の広布種であるが，ミチノクイチイゴケは日本・朝鮮・中国と分布も異なるようだ。

---------------------------------
　夏草や　ほたるぶくろの　花浮かめ　　　　山口青邨
　ぬくみある　蛍袋の　ふくろかな　　　　　　森田公司
　念のため　蛍袋を　覗きけり　　　　　　　　白井風人

ハイゴケ屋2006年06月22日 10:37

ツクモハイゴケは、以前から気に留めている種の一つですので、ちょっと、お邪魔します。隠岐にでるかな？というのが率直な感想です。
私の、この種に対する印象は、「葉がやや曲がっていて、枝も割りと多くでて、外見上、ハイゴケ属に近い感じ」というものです。雌雄同株ですので、たいてい、胞子体をつけてます。今までに、1－2度しか観察したことがないので、どんなところに生育するか理解していませんが、日本では、高地や北部の、冷涼な所に生育するように感じています。
- コメント
丹後2006年06月22日 15:58

お世話になります。ご指摘いただいて，やっぱりかと思いました。

検索表を機械的に適用しただけなので，ミチノクイチイゴケの小さいものではという不安は持っていました。それに，両者ともそれぞれ一ヶ所に，一つずつの塊しかないため観察も十分ではありません。

全体にミチノクイチイゴケを縮めた感じのものなんですが，まだ同一種だと決めるまでには至っていない状態です。大きさが違いますし，葉身細胞の幅は確かに差があるように思えます。ただ，蒴の蓋が0.5mmくらいとやや突出気味なのが気に入らない点です。「円錐形で鈍頭」にぴったりしません。

ミチノクイチイゴケの方の蓋や帽は採集できていませんので，今後両方を比較してみたいと思っています。一群落ずつしかないのですが，少し残して置いて一年経つと，元の状態に戻る（はびこって）ようなんです。
丹後2006年06月22日 18:47

>高地や北部の、冷涼な所に生育するように
生育場所は全然そんな場所ではありません。しかも，二つは数百メートルしか離れていない地点にあります。

>外見上、ハイゴケ属に近い感じ
葉は曲がらず，ハイゴケのような枝の厚みも感じられません。

図鑑の記載を多少逸脱（？）した，ミチノクイチイゴケということになりそうです。