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丹後の日記

オオサワゴケ 2 Philonotis turneriana編集する
2010年07月06日17:14全体に公開
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ヤワラサワゴケ P. mollis の記事の続きである。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1492036937&owner_id=2651499

そこでオオサワゴケの「可能性もありそうだ」と書いているが,今回再度採集して検討。自己責任で本種だと決めることにした。これを仮にB型と呼ぶ。そして日本の文献と一致する典型品をA型と呼ぶことにする。

A型については触れたことがあるが,図鑑の記載とよく一致しており疑問を挟む余地がない。無性芽が普通に見られることも決定的である。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=596232733&owner_id=2651499

今回ヤワラサワゴケを最終的に見限った理由は,“葉が乾くと茎に強く圧着する(Strongly apressed)”のが,ヤワラサワゴケの大きな特徴であることを知った為である。しかるに本品の葉は“乾湿でほとんど変化せず,ふわっと広がったまま”で,その違いは明かだった。

そして,近縁種の中で葉の圧着が“弱い”のはオオサワゴケ(A型)に限られる。他にA・B共通の有力な特徴としては,葉縁が反曲しないことがある。更に,葉身細胞が・大きくて・整った・薄壁の・長い矩形,であることも注目してよい。

両者の違い。
【A型】  (1) 葉は弱く圧着(下半部のみ), (2) 中肋はほとんど突出しない, (3) 葉縁は反曲しないで平面, (4) しばしば無性芽をつける, (5) 新しい標本で,薄いくすんだような白緑。
【B型】  (1) 葉は全く圧着せず開いたまま, (2) 中肋は芒状に長く突出, (3) 葉縁は部分的に細く反曲気味になる, (4) 無性芽はない?(多分), (5) 標本にしても,鮮やかな濃緑色(一群落内での観察)。

長い間ペンディングしていた不明種があったが,これがA・Bの中間型らしいと気付いたことも,今回の結論の根拠となった。しばらくこれで行くことにする。日本の図鑑の解説のみでは,今後も自分のような犠牲者を生みそうな気がする。

また平凡社の図鑑は,コツクシサワゴケのシノニムに P.revoluta を加えているのだから,解説文にもその形質(葉縁は大きく反曲・中肋は長く突出)を反映させて欲しい。


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 青蔦の からまる画廊 一人展      正岡耐子
 青蔦の 窓より洩るる 四重奏       岩崎眉乃
 蔦の花 人に紛れて 生く身はも     小松崎爽青


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