ツリガネゴケ属は難しいと言われる。自分の場合も長い間モヤモヤとした状態が続いていたが，やっと「分ったかな」と思えてきた。取りあえず自家用に，自分のデータを使って整理しておく。文献にある数値や解説と微妙に食違うことがあるので。
単純だが極めて有効なのが，大きさ（�殃舛猟垢機砲砲茲詒獣任任△襦�ただし，生育の悪い小さい個体が多く混じるので，群落内の大きく育った部分で考えなければならない。飛抜けて大きな少数の個体は例外として無視する。混生にも注意が必要。
アゼゴケ： 2-3(4) mm ・・・微小種で，普通しゃがんでジッと見つめないと見えない。
ヒロクチゴケ： 4-7 mm ・・・立ったままでも見える。�櫃�大きく頭でっかちでかなり目立つ。
コツリガネゴケ： 8-15mm ・・・特に小型のコケという感じはしない。胞子体はスラリと高い。
これで大体うまく行くのだが，もう少し明瞭な他の基準も欲しい。アゼゴケとコツリガネゴケを取違える人はいないので，問題になるのは大きさが中間のヒロクチゴケである。ただ，以下のようにコツリガネゴケは明瞭に認識できるから，問題は「小形のヒロクチゴケとアゼゴケはどう違うか」に限定される。
コツリガネゴケ： 葉縁の 「2-3」列の細胞が舷状に分化する。細く長く線状に伸びて（例えば 200*7μ），内部の細胞とは明瞭に異なる。一目で舷（肥厚はしないが）と認識できる。他の 2種と混同の余地は全くない。
ヒロクチゴケとアゼゴケの違い，もう大丈夫と意気込んでいたのだが，観察しているうちにまた自信がなくなってきた。結局，明瞭に二分できるような明快な決め手はないようだ。以下に挙げる形質も差異がかなり微妙で，群落内での変異もあるし，「大勢としてそのような傾向がある」というに過ぎない。顕微鏡写真を並べても違いが分るかどうか・・・。かといって種自体が曖昧だとは思わない。何故だか（かなりの自信を持って）同定もできてしまう。
(1) 葉縁細胞の分化
「1-2」列の細胞がやや幅狭くなり長さも多少伸びて歪んだ矩形。線状にはならないので舷のようには見えないが，弱い縁取りとしては認識できる。内部の細胞とはっきり形が異なる。一方アゼゴケは分化の程度が弱く，縁の 「1」列にかすかにその傾向が見られるが，そうであるようなないようなで内部に隣る細胞とほとんど形の差がない。特に上部では全く分化（やや細長くなる）しないこともある。
(2) �檗編� urn）の大きさと形
ヒロクチゴケは大きくて，幅±1.1 mm，下部が膨れてカップ型になる。アゼゴケははっきり小さく幅±0.8mm，半球形。直感的には，この「�櫃梁腓�さと�殃舛猟垢気箸離丱薀鵐垢琉磴ぁ廚魄貳峩�く感じる。
(3) 中肋の突出
ヒロクチゴケは中肋が多少突出することが多いが，アゼゴケはしばしば葉頂の手前で終る。
(4) 胞子表面の刺
ヒロクチゴケの胞子は，黒味を帯びて大きく（径 30-40μ)，高く鋭い刺（時に牙状）が密生する。刺の上半部がしばしば透明に見える。アゼゴケ（径 28-32μ）の刺は，鋭くはあるがやや低く，先端のみ少し光る程度。ただし，アゼゴケの刺も相当高いことがある。
※ 注意： 完全に成熟した（蓋が外れた）胞子で見ること。未熟だと刺は低くて鈍。
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柿をもぐ 青空に手を 差し入れて 中田マキ子
過疎部落 愚かさに似て 柿万朶 勅使河原敦
柿の木に 竿立てかけて 月夜なり 藤沢石山
�櫃良�が1.1mm以上で�殃舛歪垢�8mm未満というもの、�櫃良�1.1mm以上で�殃舛歪垢�10mm以上で中肋の突出はよく見られるもの・・・普通なら後者はコツリガネゴケにしそうですが、コツリガネゴケの中肋は突出する事が少ないらしいのでやっぱりどれもヒロクチゴケか、それとも違うか・・・・
湿っているかや日当りが強いかによって、これらの種類は形が変化しているのではないかと思えてきます。
本当に遺伝子レベルで区別できるのでしょうか？？？？
でも、区別すれば「種類数は増える」ので区別しています。種類数は増えるに越した事がありませんので（笑）
今日はお誕生日ですか？おめでとうございます。