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丹後の日記

ツリガネゴケ属 Physcomitrium Sp.編集する
2009年06月19日08:11全体に公開
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大きくて長い六角形(±80*25μ)の葉身細胞は,ハリガネゴケ属 Bryum にそっくりである。中肋が明瞭に突出し,弱い舷が分化する点もハリガネゴケ属を思わせる。葉形はコツリガネゴケ P. japonicum の葉下部をもう少し狭くしたような感じである。言わば先の尖ったスプーン形で,こういうのを「倒卵状披針形」というかもしれない。ハリガネゴケ属を一応当ってみたがそれらしきものがない。乾いても「葉は長く開出したままで多少よれるだけ」というのもあまり記憶にない。

ツリガネゴケ属に姿がよく似ていて,葉が極端に柔らかい点もぴったりである。しかし,葉の下方(柄部)が多少狭い点は看過しても,「葉身細胞が長六角形で,矩形に見えるものが無い(基部は除く)」点がどうも引っかかる。ツリガネゴケ属はどの種も,矩形の葉身細胞が主体だと思うからである。確かに一部が六角形に近づくことはある。しかし,ほとんど全部を明瞭な大形六角形が占めるということがあるのだろうか。どうも同一種だとする気になれない。

他にも変なのは,サツマホウオウゴケ Fissidens hyalinus と混生して,暗い林内に生えていたことだ。ツリガネゴケ属の種はよく陽の当る場所,日陰であっても開けた明るい場所に生えるからである(そう思う)。サツマホウオウゴケはありふれた種ではない。仲良く混生しているのも,何か意味がありそうな気がしないでもない。

胞子体を見付けないと,いつになっても解決できそうにない。


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 ひろがりて 雲もむらさき 花樗       古賀まり子
 美しき 言葉ありけり 花樗         平尾美江子


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