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丹後の日記

コチョウチンゴケ編集する
2006年03月27日11:03全体に公開
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 樹幹の高い場所に着生していて驚いた。チョウチンゴケ科では他に例がないように思う(コツボゴケが根元に着くことは稀にある)。
 独特な葉の縮れ方で(縁が波打ち更に巻込む),チョウチンゴケ科であることはすぐ分るが,野外ではナメリチョウチンゴケとよく混同されるという。

 本種は高さ 1cmくらいでより小さく,葉の中肋は葉頂に届かない。最も確実な区別点は細胞の大きさと形で,ナメリチョウチンゴケのように角が丸まった明瞭な厚角にはならず,はっきりとした六角形でサイズもはるかに大きい。

 学名 Mnium hetero(異る)phyllum(葉)のように,葉に 2形があるのは面白い特徴。茎の上部と下部で葉の形が異るが,特に若い個体では,幅が広く上部も丸味を帯び,鋸歯も低く,中肋は葉頂のはるか下で消える。
 ナメリチョウチンゴケにも登実・不実での 2形性が知られていて近縁であることを伺わせるが,こちらにも老・若での違いがあるかも知れない。

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 靴紐を 蝶にむすびて 青き踏む     野溝サワ子
 ジーパンに 詰め込む肢体 青き踏む  能村登四郎
 踏青や 誰か蹤(つ)き来る 心地して  山田みづえ

コメント

  • プロジェクトK

    プロジェクトK2006年03月29日 01:25 削除
    樹幹につくチョウチンゴケ科といえばタチチョウチンゴケがありますね.
    希種ですが・・・
    ナメリチョウチンゴケもたまに木登りしていますね.
    結局湿度の問題かと思います.
  • 丹後

    丹後2006年03月29日 09:21 削除
     タチチョウチンゴケ,気付きませんでした。この種は,本来の生育場所が樹幹ですか。

    >結局湿度の問題かと思います.
     なるほど。そばにクジャクゴケも着いていて(シダのオシャグジデンダも),相当空中湿度は高そうでした。ただ,木登りの得意・不得意はありそうですね。
  • 退会したユーザー

    退会したユーザー2010年04月06日 11:50 削除
    箱根ではコバノチョウチンゴケが木登りしていました。

    逆に東京の南大沢ではミノゴケやフルノコゴケが地上に降りてます(笑)
  • 丹後

    丹後2010年04月07日 12:16 削除
    つまり,環境によってごく稀に木に登るのか,木登りが好きで時々見られるのか違いですね。もちろん同定には使えませんが野外では有益です。どの高さまで登るのか,高さのこともあります。根元の方なら大抵のものが登ります。コケには岩と樹皮の判定が出来ないかも・・・。

    ミノゴケやフルノコゴケ,地上の転石はありますが「土上」は見たことがありません。

丹後

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