検索フォーム

丹後の日記

オウクシノハゴケ Ctenidium malacobolum編集する
2008年11月30日22:35全体に公開
3 view
クシノハゴケ属については,「随分あちこちにクシノハゴケ C. capillifolium はあるな。コクシノハゴケ C. hastile はただ 1ヶ所だけなので貴重。」 といった程度の認識しかなかった。そのため詳しく調べていないし,あまり気にも止めて来なかった。

ところが何故か今年の夏以降,オニクシノハゴケ C. percrassum,イボエクシノハゴケ C. pulchellum,ヒラハクシノハゴケ C. homalophyllum,それに本種と立て続けに見付かった。不勉強で同定の詰めが甘いが,少なくともこの 6つが皆別の種であることは確実である。

今回,目視ではとても Ctenidium には見えず別物の積りで採集した。Ctenidium は普通,這った茎から長さ 6,7mm(せいぜい 1cm)程度の枝をずらりと並べて出す(羽状)。かなり特徴的な姿なので,この枝の並びから「櫛の歯」が来たのかも知れない。ところが今度のものは,枝が更に分枝して立ち上がり(やや樹状)高さ 2cmにも達する。立ち並ぶ枝が密に集まって,厚い叢生状のマットを作っていた。これが通常の姿かどうかは分からないが,枝の長さが軽々と 1.5cmに達するようなものは本種だけのようである。

大きさ以外で一番印象に残ったのは,正三角形に近い葉の形(茎葉の葉身部)である。ただ,Ctenidium は葉形が変化しやすいので,何が典型(代表値)かを間違える恐れがある。慎重に個体を選び,数多くの葉を観察することが重要なポイントになる。

他の特徴として,・葉先が急に狭くなり鎌形に曲がる,・葉身上部の鋸歯が著しい,・葉身細胞が厚壁気味,・葉身細胞上端が光る(かなり明瞭),・翼部(下延部)が非常に広い,などの特徴もある。なお,図体に比べ葉はちっとも大きくない(幅 0.8mm,長さ 1.5mm)のが意外だった。


---------------------------------
 ゆく秋の テトラポッドに 貝の殻          中村和子
 行く秋の 虎杖(いたどり)に錆 まはりたる    西村和子
 山深く 一つ家(や)のあり 秋果つに       江口帆影郎


コメント

丹後

close
  • 絵文字

利用規約および個人情報保護ページに同意のうえ投稿してください。

日記を書く

友人の最新日記

<2008年11月>
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      

日記の使用状況

0.8MB/2000.0MB